妊娠後期にもなると、妊婦さんらしく随分とお腹が目立ってきます。
お腹がチクチクして張っている感じになる時があるけれど、大きくなってきたお腹のせいなのか、何かの病気なのか心配ですよね。
私の妊娠後期はと言うと、中期からお腹がだいぶ目立つ方だったので、チクチク痛むともう産まれるんじゃないかと思ってしまい、不安でたまらなくなっていました。
妊娠後期にお腹がチクチク張るのは早産の危険もある!?
お腹が張る原因と、妊娠後期の危険な腹痛についてを調べてみました。
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妊娠後期にお腹がチクチクして張る原因
妊娠後期は、妊娠28〜39週で8〜10ヶ月の頃になります。
この頃は随分とお腹が出てくる妊婦さんが大半だと思いますが、お腹が張っているのかお腹が大きくなってきているだけなのか難しいですよね。
私も妊娠後期に、太りすぎて皮が引っ張られているだけかと思っていたお腹のチクチク感や張りがありましたが、とても危険な症状もあることを知りました。
チクチクと張る原因について、どんなことが考えられるのかをご紹介していきます。
心配ないお腹の張り
まずは、心配ないお腹の張りやチクチク感、下腹部の痛みについてご紹介していきます。
胎動による下腹部痛
妊娠後期はしっかり胎動を感じてくる妊婦さんもいます。
突然キックされたり、ぐるっと動いたりすると、内臓が押されて腹痛に感じることや、ズキッとすることもあります。
赤ちゃんの頭で押されている場所や赤ちゃんの位置によって、キリキリした痛みを感じることもあります。
私が妊娠中に胎動がわかるようになった頃、キックされるとお腹の皮が浮くのがわかるぐらいの時もあり、冷や汗が出るほど痛いことがありました。
あからさまに胎動だとわかれば良いのですが、わかりにくい胎動の場合はお腹が痛いのか胎動なのかわかりにくいですよね。
大きくなったお腹により子宮が引っ張られている
妊娠後期はお腹の赤ちゃんがだいぶ大きくなっているので、お腹の皮膚と、子宮を支えている靭帯(じんたい)という部分が強く引っ張られます。
このことで、ピリピリ・キリキリと痛む感覚になる方もいます。
また、大きくなった子宮で圧迫されて、おへその上や下、左右どちらかの横側が痛いという人もいるようです。
前駆陣痛(ぜんくじんつう)
出産に備えて、不規則な子宮伸縮が起きることを前駆陣痛と言います。
このことで痛みを感じている場合もありますが、本陣痛とは違いしばらく休んでいると止まってしまうことがほとんどです。
「偽陣痛」とも呼ばれ、本陣痛の予行練習のような働きをしていますが、なかにはまったく感じなかった人もいるようです。
“前駆陣痛の痛み”の場合、下記のような特徴があります。
- 痛みの周期が不規則
- 痛みの感覚が短くなっていかない
- 痛みに強弱がある
- 夜中に目が覚めてもまた寝られる程度の痛み
- 痛みの合間に家事ができる
- 主に下腹部に痛みを感じる
初産婦だと本陣痛との区別がつきずらいのですが、もし痛みの間隔が短く規則的になってきているようだと本陣痛の可能性があります。
無理せず腹痛が落ち着くまで横になって、痛みの間隔が短くなってくるかを計ってみて下さい。
ちなみに私はと言うと、初産婦だったので本陣痛を体験したあとにあれは前駆陣痛だったのかと思う程度で、はっきりとわかりませんでした。
はじめて経験する前駆陣痛だと、なぜチクチク張っていたのかがよくわからず症状が治まってしまうかも知れませんね。
便秘や下痢による痛み
赤ちゃんの成長につれて子宮が大きくなると、子宮が腸を圧迫し、お通じが悪くなることがあります。
意識して水分補給や栄養補給をしないと、妊娠前よりも便秘や下痢が起きやすくなります。
また、ストレスにより自律神経が乱れてお通じがこなくなってしまう場合もあるそうです。
便秘が続いてしまうと、便やガスが腸にたまって腹痛が起きることもあります。
便秘でガスがたまっている腹痛は、あまり軽視出来る痛みではないようです。
というのも、私の家族がとある日にお腹が痛くて脂汗が出る程だと夜間緊急病院に駆け込みました。
なんとその痛みの原因は便秘によってたまったガスが原因で、本人はあまりの痛さによからぬ病気にかかったものだと深刻に考えていたようです。
時期が時期だけに何の腹痛かわかりにくくなりますから、いつもより積極的にお通じに良いものを摂るよう気を付けた方が良さそうですね。
胃痛
お腹の上部が痛い、気持ちが悪い場合には胃痛かも知れません。
便秘が続くとガスがたまり、胃痛のような痛みを感じる人もいます。
自分のお通じがいつあったかを頭に置いておくと良いでしょう。
風邪
風邪を引いても腹痛が起きる場合があります。
腹痛と合わせて下痢や嘔吐などもあれば、インフルエンザなどの感染症も疑われます。
ストレス
妊娠前からストレスでお腹が痛くなる体質の方は、当てはまることがあるかも知れません。
妊娠中の色々な制限やお腹の大きさでストレスを感じ、腹痛を起こしていることもあるかも知れませんね。
妊娠後期にお腹がチクチクするときの対処法
妊娠後期になると、妊婦検診の間隔がだいぶ短くなります。
嫌でもよく病院に行くようになりますので、少しの異変も医師に相談してみて下さいね。
妊娠後期だからこそ重い症状になる可能性もあり、自己判断してはいけません。
ただ、お腹がチクチク張る原因でお話した“便秘”などが心当たりであれば、妊婦さんは気安く便秘薬を飲むことが出来ませんので、食事に配慮して様子をみて見ましょう。
妊娠後期の危険な腹痛はどんな腹痛?
心配ないお腹の張りについてはお分かりいただけたと思いますが、「張りというよりお腹がすごく痛い!」という危険な腹痛もあります。
続いては、危険な腹痛で考えられる原因をご紹介していきます。
本陣痛
お腹が痛いと思ったら、なんと予定日よりだいぶ前でも陣痛が始まっているなんてこともあります。
本陣痛の主な特徴は以下のとおりです。
- 下腹部のズキズキした痛みがどんどん強くなる
- 痛みの間隔が規則的で1時間に5回以上あり、間隔が短くなっている
- 眠ることができないくらい痛い
お腹が痛くなってきたら何分おきか計りはじめてみましょう。
「陣痛アプリ」という痛みの間隔を計りやすくしてくれるものもあります。
私は常に手にスマホを握りしめていて、計ってみては「違う」というフライングばかりしていましたが、まだとわかれば気持的には安心できますのでおすすめです。
もし寝ても痛みが良くならないような強い痛みを伴う張りがあると、子宮口が開く可能性もありますのでかかりつけの産科に連絡をしましょう。
破水による腹痛
水のようなものが膣から流れてくる、またはあからさまにバシャっと水が出てきた場合は破水している可能性もあります。
破水が起こるといずれ出産が始まってしまいます。
もし腹痛を伴ってなくても水が出てきたときは、早急に病院に連絡をしましょう。
切迫早産
切迫早産とは、妊娠22~36週の間に子宮収縮が頻繁に起こったり、子宮口が開いたり、破水して羊水が外に漏れている状態を指します。
“早産”という名称がついていますが、産まれてきてしまった状態ではなくその一歩手前の状態です。
この切迫早産の兆候でも下腹部痛と背部痛、お腹の張り、不正出血などがみられます。
切迫早産と診断されると、妊娠37~41週6日の“正期産”と呼ばれる“産まれてきて問題ない期間”に入るまで安静にし、薬を投与して早産になるのを防ぎます。
まだ胎児の身体が十分に出来上がっていない状態で生まれると、障害や後遺症を発症する可能性が高くなるために早産になってしまうことを防ぐ必要があるのです。
痛みが長く続く場合はかかりつけの産科に電話で相談してみて指示をもらうか、すぐに受診して下さい。
入院して早産を防ぐ必要があるケースもあります。
子宮破裂や胎盤剥離の可能性
お腹がカチコチに固くなったり出血を伴う腹痛は子宮破裂や胎盤剥離の可能性があります。
子宮破裂や胎盤剥離の場合、陣痛や前駆陣痛とは違い激しい痛みがあります。
また、胎盤剥離の胎児の生存率は30%~50%と言われています。
産科疾患の中では超緊急となる疾患で、私もかかりつけの産科の医師にはこれだけはくれぐれもすぐに超特急で病院に来る必要があると説明されました。
痛みがない場合もあるそうなのですが、大量に出血するので恐らくすぐにわかるはずと説明されました。
妊娠32週~36週に起きやすいとされており、安定期に入って胎児の成長的には少し安心してきている中でもこれだけは油断はできません。
切迫早産とは違い緊急性があるとても危険な症状なので、すぐにかかりつけの産科に連絡をして指示をあおぎながら向かいましょう。
前置胎盤
通常は子宮の上の方に胎盤ができるのですが、その胎盤が子宮の入口を塞いでしまっている状態を前置胎盤といい、大量出血と腹痛があります。
帝王切開での出産となることもありますので、早急に病院へ連絡しましょう。
絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)
赤ちゃんを包む卵膜のうちの1つである絨毛膜と羊膜に細菌が感染し、炎症を起こす病気です。
妊娠32週未満の早産の70%が「絨毛膜羊膜炎」が原因なのだそうです。
症状は、下腹部の痛みやおりものです。
炎症が進行すると赤ちゃんへの感染につながり、破水、早産や切迫早産になる可能性があります。
子癇(しかん)
子癇とは主に妊娠20週以降の、妊娠高血圧症候群の方が発症しやすい脳血管傷害です。
子癇は初産婦に多いといわれています。
子癇は妊娠中毒症のひとつで、重症になると意識喪失や全身の痙攣が見られ、母子の命に関わることもあります。
頭痛や腹痛、目がチカチカするといった症状が見られます。
腹痛もありますが、他の症状もあるため異変が起きてることに気がつきやすいかも知れません。
この場合は、すぐに病院を受診しましょう。
HELLP症候群
妊娠後期または分娩時に生じる母体の命の危険が伴う一連の症候を示す状態が「HELLP症候群」と言われています。
溶血、肝酸素の上昇、血小板減少がみられます。
原因は不明とされていますが、妊娠高血圧症候群の人に多く発症するといわれています。
上腹部痛やみぞおちあたりに痛みを感じた人は、注意が必要です。
まとめ
妊娠後期のお腹の張りや痛みの原因は、たくさんあることがおわかりいただけたと思います。
心配ない症状からかなり重症のものまで、どれもお腹が痛いような症状が出るとなると初産婦さんには判断つくのか不安ですよね。
ちなみに私は、破水していたのに気が付かず陣痛がはじまりました。
出産予定日の5日前だったので陣痛が来てもおかしくない時期。
初産婦さんは早とちりで病院に電話をする人が多いとネットで見ていたこともあり、まだ我慢できることだし早とちりも恥ずかしいとかかりつけの産科への電話をためらいました。
少し怪しい腹痛がありましたが、とりあえず眠ることにしました。
ところが深夜0時をまわると、痛みで呼吸も乱れてきて眠れなくなり陣痛だと気がつきました。
痛み出してから病院へ連絡をすると入院となり、病院で検査を受けた時に“破水して陣痛がきている”とわかりました。
わからなかった原因は、少量の破水だったことが一番だと思いますが、下着に吸水シートをつけていたのもわかりにくさの原因だったと思います。
助産師さんに、「何時頃に怪しい感じがありましたか?」と聞かれ、何となくでしか答えられませんでしたが感染症予防のための処置があるそうです。
母子ともに感染する可能性があるため破水をしたらすぐに入院が好ましいそうです。
産後に赤ちゃんも感染症の検査入院をする必要があり、しっかり赤ちゃんの入院費も発生しました。
ですので経験上、破水には気が付いた方がすぐ入院になることがわかっているので準備がしやすいですね。
ネットで色々な情報が豊富な時代ですのでわかっているつもりになってしまいましたが、ちょっと怪しい腹痛がきたときにすぐに電話で相談すべきだったと後悔しています。
母子ともに細菌感染していなかったからよかったようなものの、後でゾッとしてしまいました。
皆さんも、気になることは何でもかかりつけの産科に電話相談してみて下さいね。
だいたいどこの産科でも、夜でもつながる電話番号を教えてくれると思います。
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