子育てをしている上で、どうしても周りの同年代の子供と比べてしまうことがありますよね。
あの子はもう歩いているけれども、うちの子は?
育児雑誌を読んだら、平均的な成長はこんな感じだと紹介されているけれども……。
少しでも違うと不安になってしまうのは親ならば当たり前だと思います。
さらには、子育ての先輩でもある祖父母(両親や義両親)から
「まだできないの?」
なんて言われて、一番気にしているというのに……と心をえぐられたりします。
そんな子供の発達で特に気になることのひとつに“言葉の発達”があります。
2~3歳の子供はどのくらいしゃべるの?言葉の目安は?
しゃべらない原因があるとしたら、何が考えられるでしょうか。
発達障害や自閉症との関係は?
発達の段階を含めてお話したいと思います。
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2~3歳の子供の言葉の発達の目安とは?
まずは言葉の発達過程から説明します。
話し言葉の発達は生後5、6ヶ月から始まり、「バー・バー・バー」などの基準喃語を約70%の乳児が8ヶ月までに発し始めるといわれています。(準備期)
1歳~1歳半になると「パパ」や「ママ」などの1語文を話し始めます。(片言期)
1歳半~2歳にはものに名前があると認識するようになり、名詞のほかに動詞や形容詞が使えるようになります。
「ボクのクルマ」などの2語文を使い、語彙量は約300語といわれています。(命名期)
2歳~2歳半には知っている言葉を羅列して使い、動詞の語尾変化により現在、過去、未来の区別ができてくるといわれています。
「~から」「○○したとき」といった表現も使えるようになります。(羅列期)
2歳半~3歳は大人の使う言葉を盛んに模倣します。
「暑いからコートを脱ぐ」というように文章を話せるようになり、自分だけの造語もみられ、語彙量は900語といわれています。(模倣期)
2~3歳の子供がしゃべらない……言葉が遅い原因とは?
就園前で話す相手が親ばかりであるなど、言葉で詳しく説明できなくても伝わってしまう環境であったりするとなかなか言葉が育たないこともあります。
幼稚園や保育園に入ったら、話し始めたということもあるくらいです。
そのほかに、言葉の遅れの原因として、次のようなことが考えられます。
- 聴力に障害がある
- 知的発達の遅れがある
- 自閉症
- コミュニケーション障害
④のコミュニケーション障害とは、脳や聴覚器官に異常がないものの、言語能力が年齢相応に達していない障害のことをいいます。
これらの見極めは難しく、検査を必要とします。
発達障害や自閉症の可能性の見分け方とは
可能性の指摘は保健師、幼稚園や保育園の先生などにもできますが、発達障害や自閉症の診断は専門医でないとできません。
- 視線が合わない
- 感覚過敏
- こだわりが強い
- 手をひらひらさせて走り回る
- ごっこ遊びが苦手
などの特徴もありますが、それだけでは判断できないのです。
言葉に関しては一生話さない人がいる一方で、話せるようになっても尻上がりの特有なイントネーションがあるなどの特徴があります。
他にも、「お名前は?」という問いかけに対し「オナマエハ?」と返すなどの反響言語(エコラリア)(オーム返し)をしたりします。
- 抱っこされるのを嫌がる
- 人見知りをしない
- あやしても反応がない
など、赤ちゃんの頃からの成育歴などからの専門医の診察、検査などを経て診断がされます。
なので、『もしかしたら?』と感じることがあれば、早めに相談や受診をオススメします。
診断を受けるには小児科か児童精神科ですが、専門的な診断を受けるなら大学病院や総合病院に行く必要があるかもしれません。
さらに、言葉の障害については言語聴覚士による適切な言語訓練が必要となります。
もし、聴覚に障害があるのならば、補聴器で補ってあげることができます。
吃音症(きつおんしょう・かつては“どもり”といわれていました)は2~5歳の男の子にみられることが多く、早期に発見することが大切です。
また、幼稚園などの特定の場所でしゃべらない場合は場面緘黙症の可能性もあります。
最後に
近年、発達障害という言葉をよく耳にするようになりました。
35人学級で2~3人が発達に凸凹を抱えた子供がいるといわれています。
ここに診断がおりない“グレーゾーン”といわれる子供を含めたら、さらに人数は増えるでしょう。
こういった子供たちに必要なのは、早期からの適切な支援や教育です。
家庭でのしつけや育て方のせいではありません。
そして、本人のわがままや努力不足でもありません。
周りだけでなく、本人が一番困っているのです。
『しゃべるのが遅い』というひとつの気づきで、その子の今後の人生での困りごとを軽減できるかもしれません。
私の子供は4歳で入園するまでしゃべりませんでした。
現在は、小学5年生となり、だれよりもおしゃべりに成長しています。
1歳半の検診で市の保健師に相談をしてから、療育施設、大学病院の耳鼻咽喉科での訓練(ST)に就学するまで通い、就学後は『聞こえとことばの教室』にも通級しました。
その後、口内の構造や歯列の問題など、発音に関わる問題も判明したりもしましたが、1歳半から懸命に動いたことが現在に繋がっているように思います。
子供のために動くことができるのは親だけです。
専門家への相談だけでも早めにしてみてください。
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