妊婦の皆さんは「前置胎盤」という症状をご存知ですか?
前置胎盤というのは胎盤が子宮口を覆うようにくっついてしまう問題ある病気で、前触れも何もなく大量に出血することがあるため、妊娠中には安静が必要となります。
胎盤はお母さんと赤ちゃんの命をつなぐ大切な命綱です。
胎盤のトラブルは母子ともに命に関わることですので、症状やどのようなリスクがあるのか事前に知っておくことが重要です。
それでは、胎盤のトラブルの「前置胎盤」は一体どのようなものなのか詳しくご紹介します。
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前置胎盤は治る?治る時期と確率は?
前置胎盤と診断された場合でも、赤ちゃんが成長していくことで子宮の頸部(子宮の下部にあって膣とつながっている部分)が伸びるので、徐々におなかが広がることで胎盤の位置が治ることもあります。
治る確率と時期は日本産婦人科学会で発表されていますが、妊娠15~19週に前置胎盤と診断されてから出産するまで、前置胎盤のままの妊婦さんの確率は12%となっています。
この確率は、
- 妊娠20~23週は34%
- 妊娠24~27週は49%
このように妊娠周期が上がると治る確率も上がっています。
前置胎盤と診断された妊娠周期が早ければ早いほど、出産後に前置胎盤が改善されている例が多いことがわかります。
また、前置胎盤の発症頻度は全体の分娩では0.3~0.6%といわれており、前置胎盤のうち5~10%は「前置癒着胎盤」といって胎盤が子宮と癒着してスムーズに剥がれなくなる可能性があります。
前置胎盤の発症の理由は解明されていませんが、そのリスクに関してはわかっています。
- 高齢出産
- 喫煙者
- 多産婦
- 双胎
- 以前に子宮の手術を受けたことがある(帝王切開、流産、妊娠中絶手術、筋腫核出)
などがあげられます。
前置胎盤と診断されて不安がる妊婦さんも多くいますが、早い時期に前置胎盤と疑われても多くは改善されますので心配し過ぎないようにしましょう。
前置胎盤ってどんな症状?
前置胎盤とは胎盤のトラブルのひとつで、発症頻度はそれほど高くないのですが大量出血の危険があるため母体の死亡率が高くなります。
リスクを伴う胎盤のトラブルですが、どのような症状があるのでしょうか。
通常の胎盤は子宮の上部にくっつかなければいけないのですが、前置胎盤の場合は子宮口を覆うようにくっついています。
前置胎盤は付く位置で3種類にわけられます。
- 全前置胎盤:胎盤が子宮口を完全にふさいでしまっている状態
- 部分前置胎盤:子宮口の一部を覆っている状態
- 辺縁前置胎盤:胎盤の縁が子宮口に少しかかってる状態
です。
前置胎盤の初期症状は、腹痛を伴わない突然の出血(警告出血)がある場合が多いです。
出血原因は、子宮の収縮や子宮下部の伸びや広がり、子宮が広がってしまうことによって子宮胎盤血管が断裂して起こります。
この症状があらわれるのが28週以降が多、おなかが大きくなって張りやすい時期には
要注意です。
最初の出血は少量で自然に止まることが多く、出血もあったりなかったりと不規則的に繰り返し起こりますが、妊娠28~39週(第8月~第10月)の妊娠末期になるほど出血量が増え大量出血の危険性が高くなりますが、妊娠末期になっても出血がない場合もあります。
妊娠中期以降に不正出血があった場合は、早急に病院で診察をしてもらいましょう。
前置胎盤の出産方法は?
前置胎盤のお産は、妊娠37週末までに予定を立てて帝王切開するのが望ましいとされています(予定帝王切開)。
あまり早くから帝王切開を行ってしまうと赤ちゃんがまだ未熟であったり、また遅くまで出産を待っていると陣痛がきてしまい出血が始まってしまうといった状態になりかねません。
そこを上手に見極めて出産することになります。
しかし、予定帝王切開をする前に出血をしてしまった場合には、赤ちゃんが未熟だということは承知の上緊急に帝王切開を行うこともあります。
予定帝王切開でも緊急帝王切開でも、前置胎盤を診断された妊婦さんは、麻酔科や新生児集中治療室(NICU)がある病院施設で管理できるよう準備しておく必要があります。
そして「前置癒着胎盤」の場合ですが、癒着しているしていないにかかわらず普通の帝王切開手術に比べて出血量は多くなります。
分娩時に癒着胎盤を合併していたり、胎盤が剥がれた部分から大量に出血して止血が難しいといった場合には、母体の命を守るために子宮を摘出する可能性も出てきます。
まとめ
前置胎盤と診断されたら早産の危険性を避けるために安静に過ごしてください。
もちろん運動や性行為も控えるようにしましょう。
前置胎盤は出産時に大量の出血を伴う危険性がありますが、症状としては腹痛や吐き気がないため周りにも伝わりにくいです。
お仕事をされている方は体調によっては休職も考えたほうが良いかもしれません。
妊娠中は何が起こるかわかりませんよね。
私も一人でいるときに大量の出血があったという経験もあります。
そんな時はパニックを起こしかねませんが、事前に緊急時はどうしたら良いか想定しておいたため一人でもなんとか病院までたどり着くことができました。
前置胎盤は予兆なく大量出血することがあるため、診断されたら最悪の事態を考え、冷静に緊急事態に対応できるようにしておくと安心です。
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