妊娠中、生ものは控えるべきだと言われているけれど、牡蠣は食べても大丈夫なのでしょうか?
加熱しているカキフライなら大丈夫そうな気がしますが、クリーミーで美味しい生牡蠣が食べたい時だってありますよね。
私も妊娠中、つわりが終わるとみるみる食欲が出て無性にクリーミーで濃厚な牡蠣が食べたくなってしまったことがありました。
でも当たってしまったら赤ちゃんに影響するのか心配ですよね。
妊娠中に牡蠣を食べたらどんな効果があるのか、そして影響についてを調べてみました。
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妊娠中に牡蠣を食べても大丈夫?
「海のミルク」と言われているほど栄養豊富な牡蠣。
牡蠣の食べ放題があるぐらいですから、好物の方も多いのではないでしょうか。
ところが、当たりやすいイメージがあり、妊娠中に食べて良いのか悩む方もいらっしゃると思います。
結論から言うと、「食中毒にさえ注意すれば牡蠣を食べても大丈夫」なのだそうです。
ただし、“生牡蠣”であれば控えた方が良いのですが、生で食べてはいけないということはないそうです。
牡蠣の効果
妊娠中はたくさんの栄養が必要となりますが、牡蠣は栄養豊富で妊婦さんに嬉しい栄養素が含まれています。
牡蠣を食べるとどんな栄養をとることができるのか、ご紹介していきますね。
葉酸
葉酸は胎児の成長に必要な栄養素です。
産院にサプリメントをすすめられて飲んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
妊娠初期に葉酸をしっかり摂取すると、赤ちゃんが神経管閉鎖障害を発症するリスクを抑えられると言われているそうです。
また、牡蠣に含まれる葉酸は魚介類の中では上位クラスに位置しています。
牡蠣100g(約2個分)に含まれる葉酸は40㎍含まれています。
厚生労働省が推奨する妊婦の1日の葉酸摂取量は、妊娠3か月までが640㎍、妊娠4か月目~正産期480㎍とされています。
すると、牡蠣だけで摂取しようと思うとそこそこ大量に食べなければなりませんが、意識しなければ不足しがちな葉酸が入っているのは嬉しい効果です。
亜鉛
牡蠣は、亜鉛含有率が一番多い食品です。
亜鉛は免疫力を高めてくれる栄養素なので、免疫力が下がりやすい妊婦さんは風邪予防にも効果的です。
また、亜鉛は胎児のたんぱく質の形成をする働きをするので、低身長や低体重の赤ちゃんになるリスクを減らすことができます。
牡蠣100g(約2個分)に含まれる亜鉛は13.2mgで、妊婦が必要な1日の亜鉛摂取量は11mgです。
たったこれだけで1日分の摂取量なので、とても手っ取り早い食品だと言えます。
タウリン
牡蠣は、栄養ドリンクでお馴染みの「タウリン」も豊富に含まれており、肝機能の向上や心機能の強化、生活習慣病の予防と改善など、魅力的な効果がいっぱいです。
タウリンは過剰摂取の心配がない成分で、体内の必要なところでのみ働き、余分なタウリンは最終的には尿となって体外に排泄されます。
鉄分
牡蠣に含まれる鉄分はうなぎの2倍と言われています。
鉄分は貧血を予防してくれますので、貧血になりやすい妊婦さんには嬉しい栄養素です。
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄がありますが、牡蠣の鉄分は体内に吸収されやすいヘム鉄なので効率よく摂取できます。
以上のように、牡蠣は「海のミルク」と言われているだけあって妊婦さんに嬉しい栄養素がたっぷりだという事がお分かりいただけたと思います。
牡蠣の影響
妊娠中は免疫力が低くなっているため、菌に感染しやすくなっています。
そのため、当たってしまう可能性も高まるのです。
では、もし妊娠中に牡蠣に当たった場合どんな影響がでるのでしょうか。
まず、主な症状としてひどい下痢や嘔吐が起きます。
この症状によって子宮収縮が引き起こされて、切迫早産や切迫流産の危険が高くなってしまう可能性があります。
もし下痢や嘔吐がひどければ、脱水症状にも注意が必要です。
お母さんの体調が損なわれるとお腹にいる赤ちゃんへの影響も大きくなります。
ノロウイルスなどの食中毒を起こす場合
牡蠣はノロウイルスや大腸菌を溜め込んでいる可能性が高い食べ物です。
加熱をすると死滅しますが、加熱しない生牡蠣であれば食中毒の可能性がぐんと高まります。
では、菌による食中毒になった場合どんな症状が現れるのかを調べてみました。
- 嘔吐
- 発熱
- 悪寒
- 下痢
- 腹痛
これらの症状は大体3日前後で治り、後遺症もほぼありません。
ちなみに、ノロウィルスに感染したことがある知人曰く、風邪よりも何よりもこれまでで一番辛い症状だったと言っていました。
これが妊婦さんに起きてしまうと、かなり辛そうです。
ノロウイルスによる食中毒は、お腹の赤ちゃんに“直接影響”はありませんが出来れば“生牡蠣”は控えるべきと言うのが納得できますね。
貝毒に当たってしまうことも
貝類は“有毒なプランクトン”を食べることで「貝毒」と呼ばれる毒素を貯め込んでしまう種類があり、牡蠣もその一つです。
貝毒による食中毒の場合、下記のような症状が大体食べてから30分から4時間程度で現れます。
- 唇のしびれ
- 舌のしびれ
- 顔面全体のしびれ
- 手や足のしびれ
- 下痢
- 嘔吐
- 腹痛
- 皮下出血斑(あざ)
- 歯茎の出血
貝毒に当たった場合だと、ただならぬ感じの症状が現れますね。
ノロウィルスとは違い、貝毒は加熱してもなくなりません。
基本的に売られているものは行政機関によって検査がされていて、基準値を上回る貝毒が検出されたものは販売されないのですが、100%当たらないとは言い切れないようです。
貝毒も、直接胎児への影響があったという報告はないそうですが、激しい下痢や嘔吐がお腹の張りを誘発することが考えられますので、“生食”は控えるべきと言われています。
妊娠中に牡蠣を食べるときの注意点
先にもお話しましたように、生牡蠣を食べてはいけないことはないのですが、当たってしまうリスクがあります。
特に免疫力が落ちている妊婦さんは、当たってしまう可能性が高くなりますので避けるべきです。
十分に加熱して食べる
中心部までしっかりと火が通っていなければ死滅しない可能性があります。
カキフライなどは中心部までしっかり火が通るように注意しましょう。
85~90度の温度で90秒間以上加熱することで菌が死滅して、食中毒予防に有効だと考えられています。
食べ過ぎない
十分に加熱処理をしたからといっても、牡蠣の食べ過ぎには注意が必要です。
特に「亜鉛」が豊富な牡蠣ですが、「亜鉛」を摂りすぎるとこんな症状が出るそうです。
短期的な摂りすぎの場合
めまいや頭痛、全身のだるさ、発熱、嘔吐。
長期的な摂りすぎ場合
毛が抜ける、貧血、肌の老化。
亜鉛の過剰摂取でこんなことが起きる可能性があるなんて、驚きですね。
ちなみに、1日に食べる牡蠣の適量は5個ぐらいまでが良いようです。
信頼できる店で新鮮なものを買う
貝毒については、市販品でしっかり検査を受けたものの方が安全性が高いです。
そして、鮮度が良いものを仕入れている信頼できるお店で買うのが望ましいでしょう。
まとめ
妊娠中に生牡蠣を食べるのは、出来れば控えたいと言う理由がお分かりいただけたと思います。
ですが、十分に加熱した牡蠣であれば妊婦さんに嬉しい栄養素がたっぷりなので、私個人としては牡蠣鍋がおすすめです。
カキフライだと揚げ物なのでカロリーが気になってしまいますが、お鍋だとお野菜も入れてヘルシーに栄養たっぷりの食事がとれますよ!
万が一食中毒になってしまった場合、胎児への影響は直接的にはありませんが、症状が重くなる前に病院を受診するようにしましょう。
妊婦さんが使っていいお薬は限られていますので、お腹が痛いからといって市販薬を飲まないように注意して下さいね。
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