視力は悪くなると戻らないので、できるだけ良く保っておきたいですよね?
しかしながらここ数年でIT化が進んだ影響で大人はもちろん、子供たちにも欠かせない物となっているのがパソコンやタブレットなどの端末です。
もともとテレビの見過ぎとゲームのし過ぎで目を悪くしていた子供が多かったのに、さらにそれが身近になっているのでメガネをする子供も低年齢化しているようです。
かくいう自分の子供も小学校の低学年でメガネのお世話になっているのですが、運動系の習い事をしているのでメガネを嫌がります。
「じゃあ気を付けてよ!」とも思いますが、なってしまったのは戻らないので何かいい方法はないものかと調べていた時にテレビで「オルソケラトロジー」の存在を知ったのです。
「これは!」と思って調べてみて眼科にかかってみたことを書きたいと思います。
Contents
スポンサーリンク
オルソケラトロジーは子供でもできる?危険はないの?
オルソケラトロジーとはどんな治療なのでしょうか?
そもそも近視は遺伝が要因と言われている「軸性近視」と呼ばれる眼軸という眼球を支える部分が縦に伸びてしまうことで起きるものと、「屈折性近視」と呼ばれるピント調節機能の使い過ぎによる眼精疲労などによって起きるものがあると言われています。
ざっくり説明すると遺伝性の治らない近視と仮性近視と呼ばれる一過性の近視の違いです。
仮性近視は目薬で緩和されるのですが、遺伝性の軸性近視の治療でよく聞くのは「レーシック手術」という角膜を削るという方法です。
角膜を削ってしまうので、レーシック手術をすると元の状態には戻すことができません。
実際にメスなどを入れないにしても「手術」と言われると尻込みしますよね?
自分自身でもそうなのに子供にやらせようとはなかなか思えません。
対してオルソケラトロジーは睡眠時にコンタクトレンズを装着して寝るだけという何とも簡単な治療なのです。
そしてオルソケラトロジーはレンズの使用をやめれば元の眼球の状態に戻すことができるので、安全性が高い治療法だと言えるでしょう。
しかし子供にとってはちょっと不安の残る部分もあるのではないでしょうか?
大人はコンタクトレンズの使用にすぐに慣れますが、子供にとっては目に異物を入れるのでちょっと怖く感じるかもしれませんよね。
私がオルソケラトロジーを知ったテレビ番組では「小学5年生のお子さんが1年ほど使っている状況」のものでした。
つまりそのお子さんは小学4年生から使用していることになるので、そのくらいの大きさの子供であれば使っても問題はないということになります。
一般的なコンタクトレンズと同じように眼球の汚れなどがついたりもするのでその点では親の手が必要かもしれませんが、自分で着けたり外したりすることができれば危険性は極めて低く思います。
私の子供の場合は低学年ということもあり、管理や着け外しは慣れるまでは親がした方がいいと眼科医に言われました。
ただ、オルソケラトロジーは誰もができる治療ではないのです。
まず眼科にかかった時に治療ができるがどうかの適応検査が必要となります。
その検査をクリアできなければこの治療は受けられないことは覚えておいて下さい。
この検査をクリアし、年齢の問題さえなければ子供にとっても眼鏡をしなくて済む有効的な方法であると私は感じました。
オルソケラトロジーのメリット・デメリットは?
有効的な治療とはいえ、メリット・デメリットは多少なりともあるものです。
メリット・デメリットを挙げてみましょう。
①装着は睡眠時だけでいい⇔装着して寝る時に寝返りを打てない
オルソケラトロジーの仕組みとして、眼球の瞳の部分にレンズで凹凸をつけてピントを調節する治療法なので、凹凸をつけたい瞳の部分にレンズをくっつけておかなければいけないことが治療において必要なことです。
凹凸をつけるのに重力を利用しているので、仰向けで6時間くらい寝ないと上手く凹凸がつかないんだそうです。
6時間寝返り打てないのは子供はキツいですよね…。
私の子供はその時点で無理かな、と思いました。
②日中に眼鏡をしなくても過ごせる⇔着け忘れたら眼鏡をしなければならない
これも子供には大変なことです。
一晩しないと凹凸がつかないので、治療をしていない状態に戻ります。
そうすると裸眼で過ごすことはできず、次の睡眠時の装着まで眼鏡をして過ごすハメになります。
子供は一度寝てしまったら起こすのも忍びないですしね…忘れないようにしたいですね。
③手術しなくていい⇔オーダーメイドなので普通の眼鏡やコンタクトレンズよりは費用が高額
手術をしない分、安価に思えるのですがそうでもないようです。
保険適応外なので、眼科によって価格の違いが多少ありますし、そして目の状況もずっと同じではないし劣化もしますので、2年に1回くらいの買い換えが必要です。
昨今の眼鏡はとっても安く作れるので、正直なことを言うと眼鏡の方が経済的かもしれません。
④元に戻せる⇔使わないと元に戻ってしまう
こちらは付け忘れでいいましたが、治療をやめると元の治療していない目の状態に戻ってしまいます。
治療の継続が難しくなったり必要ではなくなった場合には元に戻っていいのかもしれませんが、そうでない時には少し面倒かもしれません。
要は瞳に凹凸をつけることによって一時的に改善しますが、完治はしない治療法なのです。
他にも「購入した」にもかかわらず治療をやめる際には返却しなければならないというデメリットがあります。
これは医療器具なので、取り扱いが注射針などと同じ括りになります。
なのでお金を出して購入したとしても、治療を終了する時に勝手に処分したりしてはいけないのです。
買ったのに返却…なんだか不思議な気持ちになりますね。
オルソケラトロジーの費用や治療期間は?
オルソケラトロジーは保険適応外の自費診療で行わないといけない治療です。
ただし確定申告が必須ですが、医療費控除の対象になっているそうなので負担を軽減できるそうです。
オルソケラトロジーは自費で行う治療のため、眼科によって費用が異なる場合が多いです。
先ほど少し費用について書いたのですが、私が行った眼科では2種類のレンズが販売されていました。
違いは国内で作られているかかアメリカの物かという違いだったのですが、国内で作られている物の方が少しお値段が高く設定されていました。
国内で作られている物は日本人に合わせて作られているので、より日本人の目には優しいということで少し高めの価格設定だったようです。
ちなみに、15万ほどのレンズが国内の物で14万ほどのレンズがアメリカの物でした。
またレンズの他に適応検査が5,000円ほどかかり、体験として2週間のレンズのレンタルに15,000円、ケア用品5,000円、定期検査が3ヶ月に1回で3,000円程度かかると説明を受けました。
そして紛失や破損は再度料金がかかってくるとのことでした。
うーん…高い!
大人でスポーツが趣味だったり仕事になっている場合は願ってもない物かもしれませんが、子供にはちょっと高額?と感じました。
治療期間については適応検査が通り、レンズができればすぐにでも開始できます。
睡眠時にレンズを使用して瞳に凹凸が着けられれば、翌日の日中は眼鏡をしないままで生活が可能となります。
肌にあとをつけるのと同じようなことを繰り返している状態なので、完治はしていない状態になります。
治療終了も眼科へ申告し、レンズを返却すればそれで終わりなので簡単です。
かかった眼科では3ヶ月健診を一定期間受けなかった場合に治療終了とみなされて、レンズ返却のダイレクトメールが家に届くと説明されました。
不必要になったら開始も終了も簡単にできるので、価格以外は自由度は高く感じますね。
まとめ
結局のところ、このオルソケラトロジーという治療では近視は完治しません。
治療を続けている間は眼鏡を外して日中の生活ができますが、レンズをしないで寝てしまえば元の眼球の状態に戻ってしまうので回復しているとは言えないです。
一度伸びてしまった眼軸はもう元には戻せないので、近視はなってしまうと進行していくしかないそうです。
オルソケラトロジーも瞳の表面に凹凸をつけて一時的な改善をするものなので、近視の完治を目指す治療法ではないようです。
上記の説明を受けて、結局私は子供にこの治療を受けさせることを断念してしまいました。
子供も運動系の習い事では眼鏡はまだいらないくらいの視力が残っていましたし、授業の時にだけ着ければいいと本人も言っていましたので、敢えて今やらなくてもいいかと判断しました。
価格も治療を断念する要因でしたが…。
でもオルソケラトロジーは日本ではまだ馴染みのない治療ですが、アメリカでは30年以上前からある治療法です。
今ではアメリカとヨーロッパ、アジアを中心に安全と有効性が認められて、日本でも2009年に厚生労働省に承認されて少しずつですが実施している眼科が増えてきました。
しかし私の住む地域では中心部にはいくつかオルソケラトロジーをしている眼科がありましたが、近所ではなかなか見つけられませんでした。
幸いなことに一軒だけ行き慣れない場所でしたが見つけたのでそこに行きましたが、医療の内容に問題がなければ実施する眼科ももっと増えてくるんじゃないかと思います。
「近視は止まらない」と聞くので、きっと私もまた子供の視力が変わった時に検討をする気がします。
その時はまた少し状況が変わっているかもしれませんね。
安全で有効的な治療法なので、今よりも条件が合ったら今度こそ使用できたらな、と思いました。
まぁ私が使う訳ではないのですが(笑)
スポンサーリンク