金属アレルギーと聞くと一見大人が発症するものかと思われがちですが、実は子供にも金属アレルギーの症状がでる可能性があります。
金属アレルギーではアクセサリーが触れた皮膚の部分が、かぶれたり赤くなってしまったりすることが主な症状です。
しかし子供の場合はアクセサリーなんて付けませんから原因は違うところにあります。
それでは子供の金属アレルギーは何が原因でどのような症状が出るのか、また対処方法はどのようなものなのか詳しく解説しましょう。
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子供の金属アレルギーの症状と対処法
金属アレルギーは症状が出るのに時間がかかります。
食べ物のアレルギーや植物の花粉などで出るアレルギーと違い、アレルギー物質にすぐに反応するという訳ではありません。
金属アレルギーは遅延型アレルギーと言って、接触してから2時間~48時間後に症状があらわれる特徴があります。
すぐに症状が出ないと、子供にアレルギー症状が出たときに何が原因かわかりませんよね。
万が一お子さんに原因不明の皮膚の発疹や赤み、かゆみといった症状が続く場合は、1週間の生活をメモしておくと良いでしょう。
病院に行く際には「いつ・どこで何を食べたか」「いつ・どこで何をして遊んだか」といったメモを持参し診察を受けて下さい。
こういった準備をしておくと、病院側でも原因物質の予測や検査がスムーズに行うことができます。
金属アレルギーの原因
金属アレルギーの発症の原因は4つの要素が関わっています。
- 金属
- 菌
- 汗
- 傷
4つが組み合わさった時の白血球の働きが金属アレルギーに関係してきます。
最初に結論を言ってしまうと「白血球は、金属に対して異物と認識」するため、金属が体内に侵入すると白血球は炎症物質を出しながら攻撃態勢になり、体にかゆみや赤み、発疹などがあらわれるしくみになっています。
人間の体には白血球があるのはご存知ですよね。
白血球とは人の体に侵入した病原体と戦う免疫細胞であり、菌が体に侵入することで増殖し活発に動き出します。
それでは金属の場合はどうなるのでしょうか。
金属の場合は汗をかくと金属が溶け、菌と同じように体に侵入します。
すると白血球は菌だけでなく金属に対しても敵だと勘違いしてしまうため、金属を敵と思い込んだ白血球は金属に対して攻撃機能を身につけます。
その後、金属が体内に侵入する度に、白血球は攻撃をするようになってしまうのです。
これが金属アレルギーのしくみです。
それでは、金属アレルギーにならないようにするための対策をご紹介します
金属アレルギーを防ぐための対策
金属製のものに触れさせない
金属アレルギーの症状は、金属と肌が触れ合っている部分に発症するのが一般的です。
最近では子供用のアクセサリーがたくさん販売しています。
幼い子でも金属に触れる機会が増えているので、金属アレルギーが発症しないか注意をしておく必要があります。
重度の場合でない限り少し触れたぐらいではアレルギー症状はでません。
重度の場合は金属に触れないように気をつけ、万が一触れてしまったときには速やかに手をよく洗い金属を洗い流しましょう。
金属について理解する
金属にもアレルギーを起こしやすいものと起こりにくいものがあります。
「ニッケル・クロム・コバルト・パラジウム」などは金属アレルギーが発症しやすくなっているため、できるだけ触れさせないようにする必要があります。
また、実は食物も金属アレルギーの原因になっています。
多くの食品には、微量ながら金属が含まれており、子供の大好きなチョコレートやココアにも金属が含まれています。
またジュースの缶ですが、金属がジュースに溶ける場合もあるため、そのジュースを飲むことで金属アレルギーを発症することもあります。
どのような食べ物にアレルギーを引き起こす金属が含まれているか、普段から注意して食べ物を与える必要があります。
- ニッケル
チョコレート、きなこ、ココナッツ、大豆、くるみ、落花生、カシューナッツ、グリンピース、たけのこ、しそ、昆布、なめこ、青のり、ココア
- コバルト
牛レバー、干しわらび、干しひじき、あさり、ほっき、貝、ココア
- マンガン
生姜、シソ、バジル、しじみ、油揚げ、がんもどき、みょうが、玄米、くるみ
- 亜鉛
生がき、ほや、かに缶、牛肉、豚肉、たらばがに、いかなご、生たらこ、ココア
- クロム
カボチャ、アーモンド、がんもどき、昆布、干しひじき、乾燥わかめ、チョコレート、さんしょう
このように様々な食品に金属が含まれていることがわかります。
すべての食品において発症するわけではありませんが、知っておくことで金属アレルギーの疑いがあるお子さんに対しては注意して食事を作ることができますよね。
虫歯にならない様にする
そして虫歯です。
虫歯の治療の祭に歯の詰め物で金属が含まれていることがあります。
銀歯や金歯でも金属アレルギーの原因になることもあるため注意をしておきましょう。
虫歯を作らないことが金属アレルギーを根本的に対処する方法の一つではありますので、小さいうちから歯磨きは重要です。
砂場やおもちゃも危険!?
子供のおもちゃが金属の場合は、おもちゃに触れている手から金属が体内に染み込みます。
子供はよく汗をかきますよね。
その汗がおもちゃの金属を溶かし、金属が体内に侵入してし金属アレルギーの原因になるのですが、鉄棒やブランコの手すりもその要因になっています。
そして子供が大好きな砂場にも「砂鉄」が含まれていることから注意が必要になります。
ほかにも、食事で使うスプーンやフォークにも金属は使用されています。
家庭の中で子供が触れそうな金属がどこにありどのようなものがあるのか、確認にしておくことをおすすめします。
まとめ
以前、私が仕事でまわっていたお客さんの娘さんが重度の金属アレルギーでした。
家のドアノブにはもちろん、手で触れるところにはビニールが付けられており、家の中には到底入ることはできませんし、外部の人と接触することもできなかったようです。
常に手袋をしているのですが、外出時はお母さんなしでは出かけられないといった大変な生活を送っていましたが、「早くから治療を始めればここまでひどくならずに済んだかも」とおっしゃっていました。
アレルギーはどんなもので発症するかわかりませんが、子供の変化には敏感にならなければいけませんね。
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