出典:https://www.takaratomy-arts.co.jp/specials/pandanoana/kan-cho/index.html
子供たちを見ていると、本人たちは楽しそうでも危険を伴う遊びをしていることがありますよね。
私の学生時代にも流行し、私の子供の学校でも流行しているカンチョー遊び……実はとても危険な遊びのひとつなのです。
では、カンチョー遊びはどうして危険なのでしょうか?
危険な遊びならば、それをどうやめさせれば良いのでしょうか。
Contents
スポンサーリンク
子供のカンチョー遊びで肛門が傷つく危険がある!?
子供のカンチョーは外せば問題ないですが、もし肛門にクリーンヒットするとどうなるでしょうか?
直腸から下方に続く肛門(肛門管)という器官は、溜まった便を体外に送り出すという大切な働きをしています。
皮膚の成分でできているため痛みにはかなり敏感であるともいわれています。
そして、細い静脈が網の目のように走っている血管の豊富な器官で、出血しやすい部分でもあります。
イタズラ感覚で流行するカンチョー遊びですが、子供の指とはいえ人差し指2本分が肛門に入るわけですから、かなりの激痛を感じるのは当然です。
出血が伴う場合もありえます。
肛門管の長さは3~4㎝といわれていますので、子供の指でもすっぽりと入ってしまうような長さなのです。
そして、肛門管には肛門括約筋という筋肉があり、そこを傷つけてしまった場合には便の排出をコントロールすることが困難になるため、人工肛門で生涯を過ごさなくてはならない可能性もあります。
肛門は人体の急所であり、損傷が大きいと死亡する可能性もあるような部位なのです。
これだけを見ても『子供のイタズラ感覚の遊び』で片付けてはいけないものであるといえるでしょう。
カンチョーした側が突き指する危険も!
カンチョーをするときは、大抵は“不意打ち”で行うことが多いでしょう。
そうなると、相手の反応は予測不可能です。
ビックリして体をよじるかもしれません。
肛門に力が入ったままの状態で倒れこむかもしれません。
相手の肛門に指が入ったまま、予測していない動きに振り回されることになれば、カンチョーした側も怪我をする危険性は高いでしょう。
なので、カンチョーをしたことによる怪我として一番に考えられるものといえば“突き指”です。
子供が突き指をしたときには、以前は「引っ張ると良い」などといわれてきましたが、絶対に引っ張ったりしてはいけません。
引っ張ったりすると、靭帯を損傷している状態だというのにさらに動かしてしまうことになります。
正しい応急処置の方法は、まずは安静にして10~15分くらい氷などで冷やし、腫れや痛みを軽減させます。
これだけでも十分なのですが、腫れや内出血があるときはテーピングテープで動かないように固定し、患部を心臓より高く上げ、充血を防ぐようにします。
テーピングテープはかぶれを防ぐために、就寝中は外したほうが良いそうです。
軽い突き指であれば、3日くらいで腫れや痛みはなくなります。
腫れや内出血が強い、自力で指を動かせない時にはすぐに整形外科などの病院の受診をオススメします。
実は骨折していたということもあるからです。
成長過程にある子供の骨は弾力があるので隆起骨折や若木骨折、力学的に脆弱な成長軟骨が存在する関節周囲では骨端骨折(骨端軟骨の離開)などの小児特有の骨折もあるのです。
関節が動くから骨折はしていないだろうという自己判断はとても危険です。
- 触ると泣く
- 手を使わない
- 足に体重をかけられない
などの症状があれば、骨折の疑いがあります。
整形外科などの病院を受診しましょう。
特に乳幼児は腫れが少なかったり、骨折していない部位の痛みを訴えたりすることもあるようですよ。
子供にカンチョー遊びをやめさせるには?
カンチョー遊びが危険な行為だと子供に話すのに
「肛門管は……」「肛門括約筋が……」
と説明しても難しいですし、子供を諭すことは難しいと思います。
では、危険なことをやめて欲しい時にはどんな話し方をしたら良いのでしょうか。
子供にはしてほしくない、好ましくないと思う行動を見ると、
「こら!やめなさい!」
と言ってしまうと思います。
この言葉でその行動をやめさせることは可能です。
しかし、その効果は“一時的”なものです。
その行動が危険なものであれば、本質的な解決をしなくてはなりません。
危険な行動のすぐ後にその場で、それが危険なことであるという説明をしても、子供の耳に届いても心には届きません。
子供にとっては楽しいことをしていて、それを大人に制止されたとしか感じていないからです。
あまりに時間が経ってからではいけませんが、説明は改めて子供の気持ちが落ち着いた“お友達のいない場所で穏やかに”話すように心がけてみましょう。
そして、
「私はあなたが人を傷つけるようなことをすると、とても悲しくなるんだよ」
「私はあなたがお友達のことを大切にしてくれたら嬉しいな」
とお互いに視線を合わせて、自分の気持ちを伝えます。
それで良いの?と思うかもしれませんが、厳しく叱責されるよりも子供の心に残るのは穏やかに伝えた言葉の方が多いはずです。
もし学校などで流行しているのであれば、
『こんな遊びが子供たちの間で流行しているようです』
と伝えておくと、学校だよりなどで各家庭へと注意喚起をしていただけると思います。
最後に
子供たちはたくさんの経験を通じて、たくさんのことを学んでいきます。
そんな経験からの学びの中には、カンチョー遊びのように自分や相手を傷つけ、命に関わるものも少なくありません。
そんな時には適切に対応していくことが大切です。
子供を叱らなくてはならない場面というのは
- 他人を傷つける
- 自分自身を傷つける
- 命の危険に関わるようなことをする
の3つといわれています。
そんなときに、大人が気を付けることとは
- 感情的にならないこと
- 暴力に訴えないこと
- 長々と叱らないこと
- 子供の人格を否定しないこと
- 言うことが一貫していること
- 周囲に人のいる場所では叱らないこと
です。
そんな大人の適切な判断と関わりの中で、子供たちは危険なことをしないことや相手を思いやる気持ちを育んでいけます。
叱ったあとには
「はい!これで終わり!」
と気持ちの切り替えをしてあげてくださいね。
スポンサーリンク