生まれたばかりの赤ちゃんのうんちはいろんな色。
黒かったり、緑だったり、黄色かったり。
突然見慣れない色のうんちが出ると、びっくりしてしまいますよね。
月齢に合わせてうんちの色が変化するのは普通のこと。
ですが年齢を問わず白いうんちが出たときには…。
大事なお子さんに何かが起きているかもしれません。
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子供のうんちが白い時に考えられる病気は?
そもそもうんちが黄土色や茶色なのは、そこに混ざっている胆汁の色を反映しているからだということをご存知でしたでしょうか。
白いうんちは、何らかの原因で胆汁が混ざっていない状態です。
それでは、うんちに胆汁が混ざらない場合にはどんな原因が考えられるのでしょうか。
ロタウイルス感染症
毎年冬になると、小さなお子さんを持つお母さんたちが心配するウイルス性胃腸炎。
大人の世界ではノロウイルスなどが有名ですが、とりわけ6か月頃から2歳程度の小さな子供に多い胃腸炎の原因の一つがロタウイルスです。
ロタウイルスに感染すると、激しい下痢やおう吐、発熱などの症状があらわれます。
下痢が続くと胆汁の生産が排便のスピードに追い付かなくなり、白や灰色がかった便が出るようになります。
子供は身体が小さい分、下痢や嘔吐が続くとすぐに脱水症状を起こしてしまいます。
私の知っているお宅でも、週末でかかりつけの病院が開いていないからと家で様子を見ているうちに脱水症状が進行してしまい、お子さんが何日も入院したというケースがありました。
特にお子さんが初めて胃腸炎にかかったときには、親の方も対応に戸惑ってしまったり、汚した部分の消毒が不十分で家族にまで感染してしまうということも多々あります。
ロタウイルスの感染を疑ったなら、早めに小児科を受診することをおすすめします。
また、最近では経口補水液といって、効率よく水分補給ができる飲み物を薬局などで購入することもできますね。
胃腸炎がひどい時には、病院で購入を指示されることもあります。
この経口補水液を、時間をおいて様子を見ながら、スプーン一杯ずつでも与えることができると、急激な脱水状態をだいぶやわらげることができます。
さて、ロタウイルス感染症は就園前の小さな子供に多い病気ですが、私の子供は4歳の冬にかかりました。
ちょうど幼稚園でノロウイルスの集団感染があり、やっと胃腸炎から回復して迎えた冬休みのことでした。
年齢が上がっても、免疫力が落ちている時にはぜひご注意くださいね。
先天性胆道閉鎖症
生まれつき、または生まれてすぐのころに、何らかの原因で胆汁の通り道が閉じてしまう症例を、先天性胆道閉鎖症といいます。
この場合ロタウイルスの時とは違って、胆汁自体は作られているのにうんちに混じれないために便に色がつかないという状態です。
白だけではなく、灰色がかっていたり、薄く黄色がかっている場合もあります。
通り道をふさがれた胆汁は、血液に乗って別の場所に流れていき、身体に悪い影響を及ぼします。
先天性胆道閉鎖症はこわい病気なので、次の項目でもう少し詳しくご説明しますね。
先天性胆道閉鎖症の症状について
黄疸
先天性胆道閉鎖症では、うんちが白くなる他にもいくつか症状があらわれます。
その一つが黄疸です。
十二指腸へ流れることができない胆汁は、血液に混ざって体内をめぐります。
白目や皮膚などに胆汁が回ると、その部分が本来の色よりも黄色く見えるようになります。
赤ちゃんの見た目がなんだか黄色っぽい、と感じたら、黄疸が起こっている可能性があるのです。
黄疸があらわれたときには、胆汁を生成している肝臓や、胆汁を一時貯蔵・濃縮している胆のうに異常が起きていると考えて、早めに病院を受診することが大切です。
おしっこが茶色っぽい
胆汁の分解物が尿に混じると、その色を反映しておしっこが茶色っぽくなることがあります。
うんちが淡い黄色、クリーム色、黄緑色
先天性胆道閉鎖症の場合、うんちは必ずしも白くなるとは限りません。
腸壁からほんの少しビリルビンがにじみ出すケースもあり、その着色のために発見が遅れることもあります。
何か異常を感じたら、うんちの色以外の気になる点も一緒にお医者さんに伝えるようにしましょう。
先天性胆道閉鎖症の重症化
先天性胆道閉鎖症の影響は、黄疸や便の色の異常だけにとどまりません。
重症化するとどのようなことが起こってくるのでしょうか。
胆汁性肝硬変
先天性胆道閉鎖症を放置してしまうと、胆汁性肝硬変に進行します。
これをさらに放置すれば赤ちゃんは死亡してしまいますので、助けるために外科手術が必要になります。
脂溶性ビタミンの吸収障害
通常、胆汁は脂肪の吸収に重要な役割を果たしています。
しかし先天性胆道閉鎖症の場合はその機能が発揮されないため、脂溶性ビタミンの吸収がうまくできません。
中でも特に、ビタミンKが不足することで血液が固まりにくくなる出血症状は約10%に起こるそうです。
出血箇所は頭蓋内、消化管、皮下に多く、頭蓋内出血を起こしてしまうと後遺症が残ったり、死亡してしまうケースもあります。
子供のうんちが白いけど元気な時は大丈夫?
基本的に、うんちの色が白い時は肝臓や胆のうの異常が疑われるというのは前述の通りです。
でも子供って、マニュアル通りにはいかないもの。
突然熱を出して親をオロオロさせながら、当人はケロッとして遊んでいるなんてこともよくありますよね。
色の白いうんちが長く続かず元気な場合は、食べたものの影響があるのかもしれません。
前日の献立を思い出してみましょう。
子供のうんちが白くなるのは食べ物も影響する?
乳製品の摂りすぎ
牛乳やヨーグルトなどの乳製品をたくさん摂取すると、翌日のうんちが白くなる場合があります。
うんちの硬さなどはそのままで色だけ白いこともありますし、摂りすぎた乳製品がしっかり消化できず、ゆるいうんちが出ることもあります。
ロタウイルス感染症と間違えてドキドキしてしまいそうですね。
脂肪分の摂りすぎ
脂肪分の多い食事をした後も、うんちが白っぽく、油っぽくなることがあります。
胆汁は脂肪を消化しやすい状態にしてくれるのですが、それが追い付かないほどに脂肪分を摂ってしまうと胆汁が不足してうんちの色づきに影響します。
消化しきれなかった脂肪分もうんちと一緒に出てきますので、普段よりねっとりしたうんちになるのが特徴です。
私の場合は、離乳食を始めて少しした頃に子供が真っ赤なうんちをしたことがありました。
その時は血便だと思ってひどく心配しましたが、子どもには特に変わった様子もなく…。
よくよく考えてみたら前日に食べさせたトマトソースの色でした!
お子さんが小さいうちは、どんなものを食べたのかメモしておくと安心ですね。
まとめ
私が出産した産院は、産後三日を経過してから母子同室ということになっていました。
長い長い三日が過ぎて、やっと赤ちゃんをこの手に抱けた喜びもつかの間、なんだか赤ちゃんが黄色っぽいのです。
医師の診断は「高ビリルビン血症」、つまり黄疸でした。
当時の私には黄疸の知識がなくたいそう慌ててしまいましたが、実は新生児の黄疸は珍しいことではありません。
生後24時間~48時間にあらわれた黄疸は病気の可能性が高いとのことですが、2日目から4日目あたりにあらわれた場合は生理的な場合がほとんどで、多くの赤ちゃんが経験しているのだそうです。
子育ては初めてのことだらけ。
心配なことも起こりますが、そのすべてが危険なことではありません。
落ち着いて対応できたらいいですね。
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