突然ですが、あなたのお子さんは鼻で呼吸をしていますか?
何かに集中している時、テレビを見ている時、お風呂でリラックスしている時、お口が開いたままになっていないでしょうか。
そして眠っている時。
可愛い寝顔の、お口はちゃんと閉じているでしょうか。
家だけではありません。
幼稚園で先生のお話に耳を傾けている時、小学校の授業で問題に取り組んでいる時だって、いましたいました、お口がずっと開いてる子。
子供たちの口呼吸、実は怖~いリスクを秘めています。
放っておくと、大変なことになるかもしれませんよ…?
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子供の口呼吸の原因は?
一口に口呼吸といっても、その原因はさまざまです。
一つ一つ、見ていきましょう。
鼻の病気
風邪などで鼻が詰まったとき、仕方なく、あるいは無意識に口で呼吸していることがありますよね。
子供たちも、鼻に疾患があると、そのために鼻呼吸が制限されて口呼吸になってしまいます。
原因として多いのは、
- アレルギー性鼻炎
- 副鼻腔炎
- 蓄膿症
など。
このような原因が疑われる場合は、耳鼻咽喉科で相談してみましょう。
咽頭の病気
咽頭、つまりのどの上部に疾患がある場合も、鼻からの空気の通りが悪くなるため、鼻呼吸がしにくくなります。
子供に多いのは、アデノイド肥大。
主に2歳~5歳ころの子供に多くみつかる疾患ですが、風邪をひいた後など年齢が上がっても発症することがあります。
アデノイドが肥大しているかどうかは、X線検査などで判定できます。
また、肥大したアデノイドは切除が必要ですが、口から取り出すことができ、時間も10分程度で済むようです。
こちらも心配な時は、早めに耳鼻咽喉科で診察を受けるようにしましょう。
あごの形や歯並び
近年あごの狭い子供が増えているといいます。
あごの幅に合わせて、歯並びを整えるために歯を抜くケースもあるというので深刻です。
本来、口を閉じている時には、舌は上あごにくっついていますよね?
でもあごの狭さや歯並びの悪さが原因で、あるべき正しい位置に舌が落ち着けない場合があります。
舌が、上あごに接していないと、下あごがだんだん押し下げられてしまい、口が開いてしまいます。
反対に、口呼吸をしているために、歯並びが悪くなるといった悪循環も起きやすいので、注意が必要です。
歯やあごに原因のある口呼吸は、歯医者さんで相談してみましょう。
歯の矯正中
いろいろな理由から、歯を矯正している子供たちもいます。
矯正が終われば口呼吸のリスクは減りますが、矯正の最中はどうでしょうか。
今は矯正器具にも様々なタイプがありますが、やはり口の中に何か入れている状態というのは、口が開きやすくなる原因になります。
気になる場合は、こちらもまずはかかりつけの矯正歯科に相談しましょう。
口唇閉鎖力の弱さ
赤ちゃんを母乳で育てた経験のあるお母さんは、小さな体からは思いもよらない強い力で吸い付かれてびっくりした経験があるかもしれません。
子供は、乳首をしっかりくわえて吸うことで、口唇閉鎖力=口を閉じる力を鍛えていきます。
授乳期を過ぎたお子さんも、食べ物を噛むときにしっかり口を閉じるなどの繰り返しで、継続的にお口のまわりの筋肉を鍛えているといえますね。
しかし、中には十分な口唇閉鎖力をまだ獲得できていない子もいて、その場合本人が意識していないと口が開きがちになります。
他に気になる症状もないのに、リラックスしているとき、テレビやゲームに夢中になっているときに口が半開きになっているようなケースは、この原因が疑われます。
こちらも相談するなら、まずは歯科医院へ行ってみましょう!
姿勢の悪さ
意外かもしれませんが、姿勢の一部が崩れると、体がバランスを取ろうとするため、あちこちにゆがみが生じます。
口呼吸もその一つです。
座って何かをしているときに、だんだん猫背になってきてしまう場合は、背筋を鍛えることで改善してくるかもしれません。
立った状態でも背中が丸まってしまう場合は、浮き指の可能性もあります。
浮き指とは、足の指がきちんと地面をつかめず、常にほんの少し浮き上がっている状態です。
そうすると重心が後ろに傾くため、それを補うために上半身が前傾しやすくなります。
その結果下あごが下がりやすくなり、口呼吸につながるのです。
浮き指を治すためには、
- 歩くときに意識して指で大地をつかむようにする
- できるだけ裸足で過ごす時間を増やして、指を使う
- きつい靴下でしめつけない
- サイズの合った靴を履く
- 歩き癖のついた靴(靴底が斜めにすり減っているものなど)を履かない
などがあげられます。
お兄ちゃんお姉ちゃんの使い込んだ靴を下の子に回したりは、あまりおすすめできません。
余談ですが、浮き指でない子は、浮き指の子に比べて運動能力が高いという調査結果がありました。
子供を運動好きにするためにも、浮き指対策は有効ですね!
子供の口呼吸はどんな悪影響があるの?
人間は、本来鼻呼吸。
では、口呼吸をしていると、どんな悪影響があるのでしょうか。
体温・免疫力の低下
鼻から呼吸する場合、鼻毛がフィルターとなって、細菌やウイルスの侵入を防ぎます。
一方、口から吸いこんだ空気は、異物とともに体内取り込まれてしまいます。
加えて、鼻呼吸の場合は吸い込んだ空気を適度に温めることができますが、口から入った冷たい空気はそのまま肺を冷やします。
細菌やウイルスの侵入に対してノーガードになってしまうこと、また体温の低下で免疫力が下がることで、病気にかかりやすくなります。
唾液の働きが弱まる
風邪などの細菌が口に入ってしまっても、普通は唾液の抗菌作用で殺菌されて、発症のリスクを抑えることができます。
口呼吸をしていると、口の中の乾燥が進むため、この作用が期待できなくなってしまいます。
また、唾液には
- 初期虫歯を治す
- 歯周病を予防する
- ステインを付きにくくする
など頼もしい働きがいっぱい!
歯周病菌が体内に侵入することで、心臓病の原因になったりするという怖い報告もありましたよね。
将来のことを考えても、小さい内に鼻呼吸を習慣づけてあげましょう。
鼻がかめない
小さい内に口呼吸が当たり前になってしまうと、鼻での呼吸をうまくコントロールできなくて、鼻を上手にかめない子供たちもいるようです。
鼻をかむことは、鼻の中の細菌などを追い出すことにもなりますので、病気にかかりにくく、かかった場合も治りやすくする効果が期待できます。
鼻から、口から、といっても言葉では理解しにくいので、口を閉じたままでも空気を吸ったり吐いたりできること、鼻から吸うと香りもわかることなど、少しずつ教えてあげてくださいね。
子供の口呼吸を治すために家庭でできることは?
全身の健康にかかわる口呼吸。
早く治してあげたいですよね。
もし疾患が原因の場合は、病院での診察・治療が第一ですが、口呼吸の癖を治すためにおうちでできることもありますよ。
一つは冷たい飲み物を控えること。
大人も子供も、冷たいものを飲むと舌が下がりやすくなるそうです。
子供が大きくなるにつれて、暑い時期など冷たいものを飲ませないのは難しいかと思いますが、温かいスープや常温の飲み物を織りまぜて、冷たいものばかりにならないように気をつけてみましょう。
もう一つは、口テープ。
歯を矯正中の場合など、歯医者さんから指導されたお子さんもいるかもしれません。
これは、薬局などで手に入る肌に優しいテープを使って、物理的に口が開かないようにする方法です。
長めに切ったテープで、口を十字、またはバッテンに抑えます。
「ミッフィーとおそろいだよ」、なんて言ってあげたら、案外楽しんで貼らせてくれるかもしれませんね。
この方法、日中に実行するのは難しいかもしれませんが、寝るときに貼ればいびき防止にもなります。
長時間眠っている間に口が乾くと、虫歯や風邪などのリスクも高まってしまいますので、就寝時に行うのもおすすめですよ。
最後に、硬いものをよく噛ませること。
これにはあごを鍛えて広くし、歯並びを良くする効果があります。
赤ちゃんの頃は、歯固めなどを与える人も多いかと思いますが、普通に食事をするようになると、つい柔らかいものばかり食卓に並べてしまうこともありますよね。
洋食メニューは比較的噛む回数が少なくなります。
例えば、おかずに根菜の煮物とか、おやつもケーキよりグミを選んでみるなどすれば、あごの発達が期待できます。
まとめ
口呼吸の原因には、大きく分けて二つのケースがあることがわかりました。
鼻や喉の疾患やあごの骨格、歯並びなど具体的な理由が考えられる場合は、早めに治療して楽にしてあげたいですよね。
また、
- 口を閉じる力
- 足指の使い方
- 姿勢の悪さ
などが原因になっているケースでは、しつこく指摘することで子供の治そうという気持ちがしぼんでしまうことも。
姿勢も口呼吸も習慣づいてしまえばこっちのもの!
毎日の食事や遊びを通して、じっくり向き合っていきましょう。
うちの子も、昼間は一見問題ないようなのですが、朝まだ寝ぼけている時に見ると、ずーっと口が開いています。
夜、テレビを見ながら口を開けっぱなしにしていることもしばしば。
浮き指でもないので、数年間アレルギー性鼻炎に悩まされているうちに口呼吸の癖がついちゃったのかなと思っています。
恥ずかしながら、私も歯並びがイマイチなので、気を抜くと無意識にちょっと口が開いてしまうことがあるようです。
先日、いつも前歯の先だけステインが付くので歯科衛生士さんに相談したら、歯並びのせいでそこだけ唾液で守れていないようだと指摘さました。
歯磨きの方法や、紅茶やコーヒーの飲み方に原因があるのだと思っていたので、「まさか口が開いていたせいだったなんて!」と、ビックリしてしまいました!
私たちには、ただ口を閉じているだけで、守れるものがたくさんあります。
お子さんが口をポカンと開けていたら、ぜひ鼻呼吸の大切さを教えてあげてくださいね!
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