LGBTと言う言葉を一般的に耳にするようになり、少しずつ、「性」についての話題が日本でも議論されるようになりました。
あなたも、なんとなくの知識を持っていて、なんとなく受け入れていかなければ、と思っていませんか?
でも、いざ、自分の子どもも自分の内面と身体の性の不一致に悩んでいるとしたら親としては何ができるでしょうか?
親だからこそ、受ける衝撃もありますし、親だからこそ、簡単には受け入れられないと言うこともあるかもしれません。
LGBTは7人に1人、そして身体と精神の性が一致しない性同一性障害の方も推定では4万6000人ほどいると言われています。
自分の子どもは違ったとしても、子どもの友人が悩んでいて、それを自分の子供はどう思うか?などとても他人事にはならなくなっています。
どう向き合うか、に正解はありませんが、親としてはどう向き合っていくか考える必要はあるでしょう。
今回はそんな性同一性障害についてのお話です。
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子供が性同一性障害かも?サインの見分け方!
まず、性同一性障害とは「生物学的な性と心理的な性が別であり、心理的な性に適合したいと思っている」とされています。
また、性同一性障害と同性愛者は同じではありません。
例えば、体は男性だが心は女性で、女性になりたいと思っている人を性同一性障害としていますが、その人が女性を好きか男性を好きかはまた別の話、と言うわけです。
では、本題ですが、子どもの性同一性障害にはサインがあるのでしょうか?
子育ての不安を共有し合うインターネットサイトではこの性同一性障害の認知度の広がりとともに、自分の子供はそうではないか?と不安になる保護者の書き込みが急速に増えています。
そこでよく目にするのは
- 「男の子だが、女の子とばかり遊びたがる、好きな遊びが女の子のばかり」
- 「男の子だが、スカートなど女の子らしい服装をするのを極度に嫌がる」
- 「男の子だが、クラスの男の子を特別に好きと本人が言っている」
などです。
確かに、性同一性障害の症状は幼い頃から以上のような兆候が見られます。
ですが、このような兆候があるからと言って、親が先走りをしてしまうのは性同一性障害であっても、そうでなくても、子供を傷つけることになり兼ねません。
親ができるのは、このような兆候があったら、それをそのまま受け止めて、子どものうちは否定をせずにいると言うことです。
子供の性同一性障害がはっきりわかるのはいつから?
LGBTの当事者が解説しているインターネットサイトによりますと、就学前には35%、そして小学校の高学年までに8割以上の方が自分の性についての違和感を感じていたと言っています。
小学校高学年は体も男性女性で変化し、その違和感を感じやすくなるため、想像がつきやすいでしょう。
性同一性障害だとはっきりわかるのも、この頃と言って良いでしょう。
でも、筆者がここで注目すべきだと考えるのは、35%の当事者が小学校に上がる前から違和感を抱いていたと言うことです。
未就学児であれば、この違和感の正体が「性同一性障害」であると言う結論に至るケースは少ないでしょう。
でも、この違和感を親や周囲に打ち明けた時、
- 否定されたり
- はぐらかされたり
することは確実に
- 心理的なストレス
- トラウマになる
などの可能性が十分あります。
前述のように、子どものうちはアイデンティティの形成も不十分なため、性同一性障害でなくても、趣向として異性が好きなものによっていたと言うこともあります。
なので、未就学児期では否定をせず、見守り、少しずつその状態が継続して言った場合、本人の違和感や生きにくさを生じさせている原因が性同一性障害かもしれないと本人と一緒に考えて行くことが重要でしょう。
筆者はLGBTに特別違和感はなく、また、違和感を持たない夫と結婚し、息子がいます。
夫婦で、まだ息子は特別な兆候は見られませんが、きちんと話し合い
- 「男の子だからと言って女の子らしいおままごとやお人形などの遊びを絶対に否定しない」
- 「将来、息子が悩んでいたら受け止めて、否定しない」
と決めています。
否定をしないと言う姿勢を両親が一貫してとっていることが将来悩みを抱えた時に相談しやすく、そして息子のアイデンティティを尊重することにつながると信じているからです。
子供が性同一性障害とわかったらどう対応すべき?
子どもが性同一性障害とわかったら、まずは否定をしないことです。
でも、これが一番難しいでしょう。
筆者の友人にも性同一性障害の人がいましたが、大学生までカミングアウトができず、覚悟を決めて親に言ったら
「受け入れなくてはとは思うけど、本音をいえば“普通に”結婚して“普通に”暮らして欲しかった」
と言われたそうです。
普通ってなんでしょうか?この発言をしている時点でやっぱり親は受け入れられなかったのです。
でも、なぜ受け入れ難いのでしょうか?
親としての愛情でしょうか?
筆者は「性同一障害であり、社会のマイノリティとなった、自分とは違う自分の子供」を受け入れられないのではないかと思います。
でも、その性同一性障害に悩み、性同一性障害とわかった時点で、お子さんのアイデンティティは身体的な性ではなく、心理的な性を元に成り立っています。
どんなに親が受け入れられなくても、たとえ否定をしたとしても、それはもう変えられないし、変える必要もないのです。
性同一性障害の友人は、受け入れると言うよりも、ただ「受け止めてほしい」と言います。
特別視することなく、もう変えられない事実として好きな食べ物を認識するのと同じように、知っておいてくれたらそれでいい、と言います。
もし、受け入れ難いと思うなら、それはそれで仕方ないのですが、その場合は深堀りしないほうが良いでしょう。
否定をするなら、「そうか」とだけ、言ってみましょう。
そして、変わらない生活と対応を続けましょう。
少しずつ、心理的な性で生活する子供を見守るうちに受け止めることができるようになるかもしれません。
まとめ
性同一性障害は幼少期から違和感として本人にも、周囲にも兆候を見せています。
しっかりと性同一性障害だとわかるには、体の変化が始まり、違和感が強くなる小学校高学年ごろまでの時間を有しますが、それまでに感じた違和感を否定されたり、無視されることは子供にとっては大きなストレスです。
性同一性障害の子どもをいざ自分が持つと、受け入れるのは簡単なことではありません。
それでも、親が受け入れられないからと言って子どもの障害は変化しません。
そうであれば、少しずつ、受け止めてこれからどう生きていくのか、一緒に考えてあげませんか?
とても難しい問題ですが、生きずらさを感じる本人が少しずつ生きやすくなるように祈っています。
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