レントゲンは放射線を使っているから妊娠中は撮影しちゃいけない?と、素人ながらにそう思ってしまう方が多いのではないでしょうか。
でも妊娠しているとわかる前に、歯医者さんでレントゲンを撮ってしまったけど大丈夫だったのかな?なんてこともありますよね。
私は、妊婦がレントゲンを撮っていいイメージがなかったので、きっとよからぬ影響があるのだろうと思っていたのですが、なんと妊娠後期にレントゲンを撮ることになりました。
さて、気になる胎児への放射線の影響について、大丈夫なのか?を調べてみました。
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妊娠中レントゲンを撮っても胎児に放射線の影響はない?
結論からいうと、レントゲン撮影による放射線の影響はあまり気にする必要はありません。
“あまり”という事は少しは影響あるの?と、思いますよね。
具体的に、あまり気にする必要がない理由を調べてみました。
妊娠中のレントゲン撮影は撮影する部位でリスクが違う?
放射線量の少ない胸部レントゲンや、お腹から離れた場所である歯のレントゲンなどではお腹の赤ちゃんまで届くことはないそうです。
では骨盤や腰部の撮影はどうかというと、先にお話ししたように、放射線の危険量に到達するにはかなりの枚数になります。
レントゲンを何枚か撮ってもまず問題はないといって良いようです。
つまり、リスクと言ってもお腹の赤ちゃんから離れた部位の方がより安全ですが、部位によってリスクと言うほどの量に到達することがまず考えにくいと言うことですね。
レントゲン撮影による被爆の基準値は?
レントゲンは放射線を使用して撮影しますが、つまりは被爆しているってこと?と、考えてしまいますよね。
では、具体的にレントゲンによる被爆値はどのくらいなのでしょうか。
ちょっと専門的で難しいイメージですが、詳しく調べてみました。
妊娠初期の4週~15週、つまり妊娠2か月~4か月の間に赤ちゃんの体の部位や赤ちゃんにとって重要な器官、臓器、骨などが形成される大事な時期です。
この妊娠初期に、先天性異常がおこる放射線の量は100ミリシーベルト以上です。
妊娠初期を超えて妊娠27週までの期間で危険とされる放射線の量は120ミリシーベルト以上といわれています。
と言われても、レントゲン1枚撮った時に何ミリシーベルトになるのかもわからないと想像しにくいですよね。
ではレントゲンを1枚撮った時、部位別に下記のような放射線量になります。
- 胸部 0.01ミリシーベルト以下
- 腰部 1.7ミリシーベルト程度
- 腹部 1.4ミリシーベルト程度
- 骨盤 1.1ミリシーベルト程度
この数値をみるとわかるように、1枚撮った程度では危険量まで随分と程遠いのがわかります。
このように、レントゲンの放射線量が胎児に影響を与える可能性は限りなく低いため、あまり気にする必要がないと言うわけなのです。
妊娠がわかる前に妊婦だと伝えずに歯医者で撮っちゃった!なんてことも大丈夫だという事ですね。
放射線の単位はgy(グレイ)とsv(シーベルト)
放射線の単位には、gy(グレイ)とsv(シーベルト)があります。
2つの単位の違いは、以下のようになります。
gy(グレイ)
放射線が「もの」に与えるエネルギー量。
sv(シーベルト)
放射線が「人間」に及ぼす健康影響を評価するための値。
単位によって放射線が影響を与える対象の違いがあります。
「1gy(グレイ)=1sv(シーベルト)」となり、胎児の被爆量を測るにはmgy(ミリグレイ)がよいとされているそうです。
これからお話する内容は、胎児の被爆量を測るmgy(ミリグレイ)での表記になります。
身体のレントゲン撮影の被爆値について
では、下記に部位別の被爆値を記載していきます。
- 胸部X線レントゲン撮影 0.01mgy以下
- 腹部X線レントゲン撮影 1.4mgy
- 腰椎X線レントゲン撮影 1.7mgy
- 上部消化管造影(バリウム検査) 1.6mgy
- 注腸造影検査 8.0mgy
- 頭部CT 0.005mgy以下
- 胸部CT 0.06mgy以下
- 腹部CT 8.0mgy
- 骨盤部CT 25mgy
どれも妊娠初期の危険量100ミリシーベルト以上というところにさえ到達しないことがおわかりいただけると思います。
ちなみに、レントゲンは2次元撮影、CTは3次元撮影、造影検査は造影剤という薬剤を用いて撮影をするという違いがあるそうです。
歯のレントゲン撮影の被爆値について
ではつぎに、歯のレントゲン撮影による被爆値をみていきます。
- デンタル 0.01mgy以下
- パノラマ 0.01mgy以下
歯の数値は体の数値に比べてすごく小さいのがお分かりいただけると思います。
ちょっと専門的すぎるお話になってしまいましたが、「あまり気にする必要がない」というのがご納得いただけたでしょうか。
まとめ
レントゲンで使用する放射線の量程度では、お腹の赤ちゃんへの影響をほとんど気にする必要がないことがわかりましたね。
私も妊娠中はレントゲンは撮れないものだと思っていたのですが、妊娠後期にレントゲンを撮ることになりました。
息苦しい、咳が出る、呼吸が浅い感じがして辛いという症状に困っていることを妊婦検診時に医師に相談した時の事です。
すると、気管支炎を起こしている影響なのか他に原因があるのかを調べるため、レントゲンを撮ってみましょうということに。
妊婦はレントゲンを撮ってはいけないと思っていたので、驚きました。
何となく誰に聞いたわけでもなくダメなイメージがあったのですが、これを機会に私は妊婦でもレントゲンを撮ることが出来ると知りました。
といっても、目に見えたものではないので不安も残ると思いますが、レントゲンを撮らないことで重大な病気が見つけられない方が困りものかなと、私は思います。
実は、暮らしの中でも日々放射線を浴びているそうなんです。
大地、宇宙、食物、空気からの放射線で、年間合計約2.42ミリシーベルト(世界平均)というデータがありました。
食物というのが意外ですよね。
生鮮食品は輸送や貯蔵中に発芽したり、腐敗したり虫に食われたりしますので、放射線を食品に当てる放射線照射をすると防止することができるそうです。
これにより、流通や消費の安定化に役立っているとのこと。
また、放射線を利用した製品もあるそうなんです。
例えば、蛍光灯のグロー放電管、夜光塗料、煙感知器やカメラの内蔵ストロボなど。
これらも、意外ですよね。
身の回りにそういうものがあるとも思わず暮らしていました。
どれも、危険な量に到達するに程遠いから使われているということなのだと思いますが、レントゲンもこんな立ち位置なのかなと思いました。
妊婦さんは、妊娠中期になると骨盤の位置を確認するためにレントゲンをとることも多いらしく、また私のように気管支炎で撮影する人も少なくないそうです。
レントゲンを撮りましょうと言われて驚いてしまうかも知れませんが、これまでお話してきたように、レントゲンが赤ちゃんに影響をあたえることはないと考えてもよいでしょう。
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