ある日突然、子供が「学校に行きたくない」と言ってきたら、あなたは何と言いますか?
「なまけないの!学校に行きなさい!」
と怒る親が一般的だと思いますが……。
では、そんな時に親はどんな対応をしたら良いのでしょうか?
そして、不登校になる子供や親にはどんな特徴があるのか、子供が不登校になった時に家庭で出来ることや見守り方についてまとめてみました。
Contents
スポンサーリンク
不登校になりやすい子供の特徴
「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
と文部科学省が定義しています。
では、どんな子供が「不登校児童生徒」となるのでしょうか?
子供が不登校になる理由
不登校の理由としては
- 学校生活に起因するもの……友人関係のトラブル、いじめ、先生との関係
- 本人に起因するもの
- 家庭生活に起因するもの……家庭環境の急激な変化、親子関係をめぐるトラブル、家庭内の不和
などが挙げられてきました。
近年はそれに加えて、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)等があり、周囲との人間関係がうまく構築できなかったり、学習のつまずきが克服できない状況から不登校に至る事例も増えてきています。
学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)がある子供の特徴
具体的にどのような特徴があるかというと
- 朝、寝起きが悪かったり、眠りが浅い。夜寝るのが遅い
- 物事へのこだわりが強い
- マイペースで人の気持ちを推し量ることが苦手である
- 親へのわがままが多かったり、わがままが通る環境で生活している
- 内弁慶
- 自分の気持ちを上手に表現することが苦手な口下手
- 必要以上によくしゃべる、または口数が少ない
- すぐにベッド(布団)につきたがる
- 新しいことに挑戦しようとしない
- 表情が単調で喜怒哀楽を表現しない、できない
- 思い込みが激しい、臨機応変に対処するこが苦手
- 大きな声を出すことがあまりなく、挨拶が苦手
- 空気(雰囲気)を読むことが苦手
- 交友範囲が狭い、多くの友達と遊べない
- 人にどう思われているかに敏感
- 考えすぎてしまうところがある
- 非現実的な夢を話すことがある
などがあります。
感受性が強く、プライドが高いことで周りの意見が気になる、または消極的だったり、周りに順応できない子供に多いようです。
不登校の子供の親の特徴
不登校になりやすい子供に特徴があるように、“子供を不登校にしてしまいやすい親”にも特徴があります。
1. 論理的かつ批判的である
物事をロジカルに考えているので、子供に対しても
「これはこれこれこういう理由でダメ」
「こうだからこうしないといけない」
ということを普段から言っていませんか?
心の初期設定がイライラしやすい状態であり、自分の中に裁判官がいるような状態なので落ち着かず不安定ではないでしょうか。
2. せっかちで効率性を重視する
無駄が嫌いで何事も手早く済ませたいという、行き過ぎたせっかちさと効率性重視の生き方が子供へのプレッシャーとなっている可能性があります。
3. 短気・些細なことでイライラする
イライラしている親に子供は本音を打ち明けたり、悩みを相談したりしません。
4. 人生に対する不安感が大きい
『備えあれば患いなし』という言葉がありますが、それも行き過ぎると自分自身の心を窮屈にしてしまい、それが子供にプレッシャーをかけてしまいます。
5. 学歴への劣等感
どんなに高学歴な親でも自分以上に高学歴な人と自分を比べて劣等感を抱えている場合、その劣等感の克服を子供に無意識に強制していることがあります。
そして、自分の学歴に優越感を抱いている人も例外ではありません。
優越感は劣等感の裏返しになるからです。
その優越感が自分よりも高学歴の人に出会い、比べた瞬間に劣等感に変わることがあります。
6. 過度にポジティブ
- わたしならば絶対に子供を学校に行かせられる
- 今はいろいろな生き方があるから
- 子供を信じている
と親が過剰にポジティブな思考になっていると対応や改善がされにくいといわれています。
7. 過度にネガティブ
子供の将来を悲観して、現状を批判し、自分の今までの子育てを否定してしまうとネガティブのかたまりのようになってしまいます。
これでは自分自身も子供も振り回す結果になり、改善は望めなくなります。
8. 夫婦間に溝がある
あまり自覚症状のない人も多いのがこのタイプといわれています。
夫婦間に心理的な距離や対立があることを第三者に話しているうちに自覚することが多いのです。
しかし、それを敏感に感じ取り察知した子供が無意識にほのかな絶望感を抱き、将来に向けて頑張るのは馬鹿馬鹿しい、たいして意味がないと感じてしまうのです。
いくつか挙げてみましたが、これが全てではありません。
おおらかな人、癒し系、直感優先で行動する人……実にそのタイプは様々です。
家庭での見守り方・親ができること
では、子供のために親ができることとはなんでしょうか?
実は不登校は子供本人がなぜ学校に行けなくなってしまったのか、その原因が分からない場合が多いといわれています。
前の日は学校に行くつもりで準備しても、朝になったら頭痛や腹痛がして登校できなくなるケースが多くみられます。
本人は学校に行かなくてはならない、なぜ行けないのかを自分でもわからずに深く悩んでいるのです。
そんな自分でも分からない感情を「なぜ?」と問うても説明できないでしょう。
1. 時間をかけて、子供の話をよく聞きましょう。
親の特徴のひとつひとつの項目を読んでいて分かるのは、親と子のコミュニケーション不足と親の“独り善がり”です。
不登校を親子の関係を明るくするきっかけにしてみましょう。
2. 学校とは担任とよく相談しましょう。
学校でのできごとや交友関係を一番知っているのは担任の先生だからです。
3. 学内のカウンセラーに相談してみましょう。
多くの学校では1995年からスクールカウンセラーの制度が導入されています。
スクールカウンセラーの役目としてカウンセリングのほかに、心理教育アセスメント(客観的に評価すること)やコンサルテーション(相談・協議。専門家の診断や鑑定を受けること)があります。
スクールカウンセラーは保護者も相談できる一番身近な心理専門家でもあります。
学校に常駐していない場合が多いので、学校に問い合わせてみると良いと思います。
4. 学外の教育相談機関に相談してみましょう
学校での居場所がない子供が増えている中で、学外の相談窓口も増えています。
お住いの市町村の役場には相談窓口が設置されています。
HPなどでどんな相談に乗っているのかなど調べられますので覘いてみましょう。
または、不登校カウンセラーや子供専門の心のクリニックなどで相談してみることもオススメです。
最後に
不登校に関しては、登校させることが目的ではありません。
子供の心の問題や家庭環境などが改善されなければ、再び同じ問題を家族が抱えることになると思います。
親子間のコミュニケーションをはかり、夫婦間のコミュニケーションをはかることで、お互いを思いやることです。
そして親は子供を信じ、愛情をもって接しましょう。
安心のできる場所がなければ足掛かりできません。
安心して戻って来られる場所があって、初めて学校に行くという勇気が湧き、行動できるのです。
家庭を不登校の子供の居場所になるように、安心できる居場所にすることは親にしかできないのですから。
スポンサーリンク