情報社会といわれる現代では、ネットは大人だけでなく子供にとっても身近なものとなっています。
そんな中で、どんな情報を信じていけば良いのかを子供に教える必要があります。
親が子供たちにネットリテラシーを正しく教える方法やリスク、どんなルールを決めたら良いのかをまとめてみました。
Contents
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トラブルになる前に!親や学校が子供にネットリテラシーを正しく教える教育方法
あなたは“DHMO”をご存知でしょうか?
“DHMO”についての説明は以下のようなものです。
- 酸性雨に含まれています。
- 重篤なやけどの原因になります。
- 地形の浸食を引き起こします。
- 末期がんの患者の悪性腫瘍から検出されます。その危険に反して頻繁に用いられています。
- 各種のジャンクフード、その他の食品に添加されています。
- ジヒドロゲンモノオキシドといいます。
この説明を聞いて、どんなものを想像しましたか?
とても危険な化学物質のようですが“DHMO”とは、実は『水』のことなのです。
この話は、心理実験やジョークのひとつとして使われています。
ですが、水という人間に必要なものをあえて情報を故意に操作し、分かりにくく説明することでとても危険な物質のように錯覚させることもできるのです。
この話は私の子供が情報リテラシー教育の授業で取り入れられたものです。
『リテラシー』とは読み書き能力のことで、以前は学力向上のため国語教育としてのみで良かったのですが、現在は様々なメディアからの情報をどう理解していくかなどの能力の育成が含まれます。
ネットでは誰でも匿名で書き込めるものが多いため、情報を気軽にチェックできるなどの利点がある一方で、逆に情報を操作してしまうこともできます。
書かれている情報を鵜呑みにせず、どの情報が信頼できるものかを自分で判断するためのスキルが必要なのです。
しかし、カリキュラムを組んで指導するには不向きなスキルで、何度もチャレンジして失敗の中で情報共有し、自分の経験や他者の経験を参考に学ぶものなのです。
ネットリテラシーは、
- 必要な情報をメディアから抜き出して活用する能力
- 信頼できる情報を見つけ出せる能力
- ネットの膨大な情報の中で信頼できる情報を見つけ出し、ネットのメリット・デメリットとリスクを理解し活用する能力
を子供の成長段階に合わせて身につけていくことが重要です。
小学生は他者のことを考えながら自分自身に役立つように情報を読み解き、表現のしかたや発信する経験を送り手の立場から情報を構成するということを身に付けて、自分の周りの情報がどのような意図で構成されているか、どんな表現技法が工夫されているかなど学んでいけると良いと思います。
中学生からは小学生では難しい、表現の自由や規制の問題など社会における文化的な背景の理解し考えていく必要があるため、社会を意識することが重要となっていきます。
その際に、
誰が情報を発信しているのか確認をする
- 情報の発信者が明記されているのか
- プロフィールは公開されているのか
- その人物はその情報に詳しい人なのか
などを確認することが大切です。
同様の記事や情報と比較をすること
情報の発信源は1つではありません。
情報の正確さ、あいまいさを見極めることです。
事実を述べているのか、私見なのか
専門家であっても、個人的見解を書いてある場合も多いものです。
内容に根拠があるのか、矛盾はないか
新聞、TVで報道されていても真実であるとは限りません。
誤報も少なからずあるのです。
内容を吟味し、根拠が乏しい、矛盾がある場合には注意が必要です。
客観的に判断する
情報が間違っているかもしれないという認識は常に持つようにしましょう。
自分で調べ、複数の情報から真偽を判断するようにしましょう。
セキュリティやプライバシーに関する知識を身に付ける
セキュリティやプライバシーに関する法律、条例などの最低限の知識を持ち、ルールを学びましょう。
私たち大人自身も、十分なメディア教育を受けていないため、上記のことを子供と学んでいく必要があります。
メディアが単なる情報の羅列ではなく、社会的な影響力があることや社会を変える力を持っていること、発信した情報に対してどのような責任を持つのか自覚し、メディアリテラシーを重視するという認識を大人が持つことが重要なのです。
子供がネットを使うリスクは?
ブログや掲示板、SNSの利用でトラブルや事件が増加しているため、子供がネットを使うことにためらう保護者は少なくありません。
考えられるリスクとしては、
- インターネットの特性上、一度発信した情報は取り戻すことはほぼ不可能であること。
- 顔の見えない相手とのやり取りで考慮不足な書き込みで相手を傷つけたり、傷つけられたりすることがある。
- 重要な情報(個人情報など)を漏洩させてしまう。
- 誰と繋がっているのか把握ができない。
- ルールがないと依存症などの恐れがある。
- 使いすぎによる視力・脳の働きの低下。
- ルールを守らなかった時に親子ケンカの火種となる。
などが挙げられます。
しかし学校では情報リテラシー教育が取り入れられ、
『2020年までに小学生1人につき1台の情報端末を整備する』
と政府が目標を定めている現在、子供がネット社会に触れずにいるという方が危険なのかもしれません。
禁止だけでは、先に述べたようにネットリテラシーは経験から学ぶものなので子供の学ぶ機会を奪いかねないのです。
情報リテラシーが低いということは
- ネットの情報にだまされ誤った学習をする。
- 知識がないために個人情報を知らないうちに流出する。
- 詐欺や課金などの金銭トラブル。
- 出会い系などで知り合った人間からの脅迫。
- アカウントを乗っ取られる。
- 情報を盗まれたり、ウイルスの感染の被害にあう。
などの被害にもあいやすくなるのです。
子供がネットを使う時のルールを親子で決めよう!
子供とルールを決める際には、子供本人の自覚が必要です。
ルールは自主的に守るものなので、親の独断で決めてしまっては意味がありません。
現在は小学校での情報リテラシー教育の内容は心強いものです。
情報の活用方法を子供の復習や自信に繋げるためにも、学校で学んだことを教えてもらうようにすると良いと思います。
そのなかで、どのように情報社会に参画し、メディアに接することが望ましいかを親子で考えていくことです。
親がすべきことは
フィルタリング
トラブルにあった子供の95%がフィルタリング未設定であったそうです。
小学生だけでなく、中学生や高校生であっても年齢相応のフィルタリングをかけましょう。
フィルタリングはプライバシー保護、悪質サイトやアプリの害から守るものです。
フィルタリングについて子供に正しく伝えたうえでスマートフォンだけでなく、ネットに繋がる機器(携帯ゲーム機、音楽プレーヤー)にはフィルタリングを設定しましょう。
課金ゲーム問題の対策にもなります。
親が率先して情報モラルを守ること
食事中や就寝時にスマートフォンを利用しないなど、親が手本となり守りましょう。
そして子供に任せず、親が寄り添い、どのようにコミュニケーションをとっているか、いざという時に介入できる位置での見守りをしましょう。
子供の周りには親が知らないコミュニケーションをとれる環境があることを大人が理解しましょう。
まとめ
2020年からは小学校でもプログラミングの授業が始まります。
私が子供のころにはネットは身近なものではなく、学校でもほとんどPCに触るような授業はありませんでした。
しかし、現在は小学3年生から
- ローマ字を習い
<l、PCのタイピング
<l、ファイルの種類・整理や保存方法
などを学んでいきます。
今は子供のほうが時には情報の取り扱い方、それが他者や社会に影響をもたらすのかを知識としては知っているかもしれません。
しかし、知識があってもその能力が伴っているのかは別問題で、自分が発信した情報や書き込みで人を傷つける可能性があるという実感はないように思います。
ネットの情報は良い・悪いではありません。
仕組みや人の心理などが土台となっているものであり、上手く付き合っていくものです。
上手く付き合うためのスキルとして、親子でネットリテラシーを身に付けていくことが必要なのです。
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