ハムは冷蔵庫に常備している方も多いかと思います。
手軽に料理に使えて便利な反面、いろいろな添加物が使われているハムを妊娠中に食べても健康面に影響はないのでしょうか。
妊娠中のハムの影響について解説します。
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妊娠中にハムを食べても大丈夫?
妊娠中は食欲に波があったり、疲れやすかったり。
そんなとき、手軽で彩りもきれいなハムは手軽に使えて便利な食材ですよね。
一方で、健康を気にする人たちの中では「ハムはやめた方がいい」という声も聞かれます。
妊娠中にハムを避けた方が良い主な理由をあげてみましょう。
塩分が多い
妊娠中の塩分の摂りすぎは、妊娠高血圧症候群の原因になる可能性があります。
ハムをはじめとする加工肉には、保存性を上げるなどの目的で塩分が多く含まれていますね。
妊娠高血圧症候群になると、胎盤がうまく機能しなくなり、おなかの赤ちゃんに十分な酸素や栄養を送れなくなってしまいます。
一般的に塩分は他の食品からも十分な量が摂れていると考えられますので、連日ハムを食べるようなことはおすすめできません。
亜硝酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウムはハムをきれいなピンク色にしている発色剤です。
急性毒性が強く、0.18~2.5gでヒトの致死量に達するといわれています。
また、強い発ガン性にも注意が必要です。
母体のみならず、妊娠中に亜硝酸ナトリウムを含む食品を常用していると、胎児に脳腫瘍が発生するリスクが高まるということです。
リン酸塩
リン酸塩は粘着剤として、ハムの食感や見た目などを良くするために使われています。
リン酸塩は簡略名で、実際には「ピロリン酸ナトリウム」と「ポリリン酸ナトリウム」を指します。
動物実験でポリリン酸ナトリウムを3%含むエサを24週間与えたラットには腎臓結石ができました。
またリン酸塩の摂りすぎはリンの過剰摂取にもつながります。
リンは牛乳や海苔、きな粉などいろいろな食材に含まれているのですが、体内から排出される際にカルシウムを持って出てしまいます。
カルシウムをしっかり摂りたい妊娠中に添加物からもリンを摂取するのはおすすめできません。
コチニール色素
コチニール色素は着色料です。
別名「カルミン酸色素」、あるいは「カルミン酸」。
常用することで中性脂肪やコレステロールの増加が心配されます。
ハムのピンク色はかわいらしいので、私も以前はよく幼稚園のお弁当に使ったりしてしまっていました。
でもお薬と一緒で添加物や塩分の影響は身体が小さいほど早く強く現れます。
せめて妊娠中は赤ちゃんの健康のために、ハムを控えた方がいいかもしれませんね。
生ハムは危険?
それでは生ハムについてはどうなのでしょうか。
美味しくてオシャレな生ハムも、実は妊娠中は避けていただきたい食材なんです。
その理由は…。
塩分が多い
これは前述のハムと同じ。
とりわけ生ハムには塩辛いほどの塩分が含まれていますよね。
血圧が高くなりすぎることは、赤ちゃんだけでなく妊娠中のお母さんの体にも大変な負担になりますから、塩分の多いものは控えめにしておいてくださいね。
リステリア菌
最近は母子手帳などでも注意喚起がされているリステリア菌。
リステリア菌は生ハムをはじめ、輸入物のナチュラルチーズや、生の果物や野菜など加熱されていない食品に生息しているおそれがあります。
この菌は健常な成人ならばなかなか感染しませんが、妊婦さんや高齢者など免疫力に不安がある人は注意が必要です。
感染した場合の症状には個人差がありますが、インフルエンザのような悪寒や発熱、筋肉痛が起こる場合や、敗血症、髄膜炎、中枢神経症状を引き起こすリステリア症、さらには重症化すると致死率が高いのもリステリア菌の恐ろしいところ。
特に妊娠中は、母体を通じて胎盤や胎児にもリステリア菌が感染する可能性があります。
その結果流産につながったり、赤ちゃんに良くない影響を及ぼしてしまうこともあるとのことです。
リステリア菌は数ある食中毒菌の中でも強い菌で、塩蔵や冷蔵庫の中でも安心はできません。
生ハムはもちろんですが、野菜なども新鮮なうちによく洗ってから使う、加熱してから食べるなど工夫すると良いかと思います。
注意したい食材リスト
ハムや生ハム以外にも、妊娠中に気を付けたい食材があります。
とはいえあれもダメこれもダメでは食べるものに困ってしまいますね。
あまり神経質になるのも良くないですが、ご自身でお買い物をする際にはちょっと気にしてみてください。
何も知らずに食べていた時よりも、食事の質がずっと良くなるはずですよ。
食中毒のリスクが高い
リステリア菌以外にも、食中毒を起こす菌はいろいろあります。
生卵、生ガキ、二枚貝、生肉など食中毒が起きやすいとされている食材は、免疫力の落ちてくる妊娠中には避けた方が安心です。
水銀・放射性物質
海中の水銀や放射性物質は、魚などの食物連鎖によって大型魚になるほど体内にたくさん蓄積していると考えられます。
水銀は胎児の聴覚に悪影響を及ぼすと言われており、また放射性物質を食べることは内部被ばくにつながり、遺伝子に損傷を受ける可能性が心配されます。
妊娠中は特に、大型の魚をたくさん食べることも控えた方が良いようです。
ビタミンAの過剰摂取に注意
うなぎ、レバー、あなごなどは栄養豊富で良いのですが、一方で食べすぎるとビタミンAの過剰摂取につながりかねなません。
特に妊娠初期にビタミンAを摂りすぎると、胎児に奇形を発症するリスクが高まると言われています。
食べる量には気をつけましょう。
ヨウ素(ヨード)
ヨウ素(ヨード)は甲状腺ホルモンを合成するために必要なミネラルで、胎児の骨や脳の発達にも欠かせないとされており、昆布やわかめなどの海藻に多く含まれています。
妊娠中にヨウ素が不足すると、赤ちゃんにクレチン症(先天性甲状腺機能低下症)を引き起こす可能性があります。
しかしこのヨウ素、反対に摂りすぎても赤ちゃんの甲状腺機能が低下するリスクがあるそうです。
普段のお食事程度ならば心配はいりませんので、カラダに良さそうだからと海藻ばかり食べるようなことはやめておきましょう。
添加物・加工品
妊娠中に限らず身体に害のあるものが多い添加物や加工品。
特に避けたいのはハムやウインナーなどの加工肉、インスタントラーメン、トランス脂肪酸を多く含むショートニングやマーガリンなど。
迷った時の一つの目安として、原材料表示に天然の食材以外のものがたくさん書かれているものは避けておいた方が無難ですね。
まとめ
美味しくて便利な加工品は、裏を返せば保存性、色持ち、かおりなどさまざまな面で添加物にささえられています。
私も妊娠中は体調不良もあって、そのまま食べられるもの、調理が簡単なものばかりに目が行ってしまいました。
ですが食について調べるようになってからは、調子が良くないときこそきちんとした食事をとらなければいけないんだと強く思うようになりました。
どうしてもハムを食べたいときには、例えば塩コショウした鶏むね肉をぎゅっと巻いて茹でハムにするなど手作りすることもできますよ。
お料理が大変なときもたくさんあると思いますが、妊娠をきっかけにご家族の力も借りるなどして健康的なお食事をとれるといいですね。
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