娘が初潮を迎えたという話が私の周りでも聞かれるようになりました。
子供たちも思春期を迎えたんだな……と思う一方で、男女の性差がハッキリしてきていることを感じます。
周囲の話を聞いているとお祝いの仕方も昔とは違ってきているようです。
子供の成長を祝うものではありますが、どんな方法が良いのかと悩みますね。
慶事の定番料理の赤飯のことや、初潮のお祝いの方法、世界のお祝いの仕方などを調べてみました。
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初潮を赤飯でお祝いするのはなぜなの?
なぜ初潮を赤飯でお祝いするのでしょうか。
女の子のお祝いだから“赤い”ご飯でお祝いするのでしょうか?
初潮のイメージ=血で“赤”なんて、なんとなく食べ物に似つかわしくないような由来なのでしょうか?
しかし、そもそも日本では他の慶事(出産や七五三)でも赤飯を食べることがあるので、初潮のお祝いだけが特別というわけではないようです。
ひとつの由来として考えられるのが、古代中国から伝わってきた『陰陽五行説』の考えです。
自然界のあらゆるものを陰と陽に分け、さらに五行の思想では木(もく)、火(か)、土(ど)、金(こん)、水(すい)の5つの要素で成り立っていて、色や臓器、季節などにあてはめられています。
その色の中でも赤い色は邪気を払い、魔除けの力があると信じられてきました。
なので、慶事には赤い色のご飯をお祝いの席で食べるようになったそうです。
初潮を迎えたということは、家族にとっては娘が「子供を産める年齢にまで成長してくれた」という喜びと、子孫繁栄を願う意味の込められた祝いごとだったのでしょうね。
初潮祝いは別にしなくてもいい?
昔は娘が初潮を迎えると家庭だけの祝いごとでなく、集落の人にも「内祝い」として赤飯を配り、「娘が赤ちゃんを産める体になりました」という印と、「妻に迎えてやってください」という意味が込められていたそうです。
お節料理の数の子で子孫繫栄を願うように、子孫繫栄は喜ばしいことではありますが……現在の感覚だと、家族以外の人にまでそんなことを知らせるのはかなり恥ずかしいですね。
ユニ・チャームの調べでは、初潮のお祝いをしない家庭は65%だそうです。
お祝いをしないという理由をみると、
- 子供自身がお祝いされるのを嫌がることが多い
- 自分がお赤飯でお祝いされて恥ずかしかったのでしない
- 家族(父親)に知られたくない様子だったので、おめでとうと伝えた
というものでした。
家族にお祝いされるのは恥ずかしいけれど、友人とお祝いをしたという子もいるようです。
特別にお祝いはしないという家庭も増えてきているようですね。
お祝いをしたという家庭でもお赤飯にこだわらず、子供のリクエストに応えて外食に出かけるなど、子供の好物やケーキを食べたりと、お赤飯でお祝いという形にはこだわってはいないみたいです。
海外には初潮のお祝いはあるの?
海外では初潮を迎えたら、どんなお祝いをしているのでしょうか?
信仰が強く関わっていることで風習も大きく違い、『穢れ』と考え生理をタブー視している文化は多いようです。
キリスト教圏では、正教会では生理中に儀式を受けるべきではないとされていますが、カトリックやプロテスタントではタブーがほぼ存在せず、初潮を重要視されていません。
お祝いにプレゼントを母親から贈られたり、ケーキを焼いてもらったり、外食に出かけたくらいだそうです。
その他にも国によって様々な風習があります。
マケドニア
初めての生理では下着を自分で洗う。
フィリピン
水で下着をゆすぎ、その水で顔を拭うとニキビにならないという話がある。
ガーナ
固ゆでの卵を丸呑みする。
かじるのは赤ちゃんを殺すことになるため避ける。
南アフリカ
大人の女性になったことを祝うパーティを開き、プレゼントをもらい盛大に祝うが3日間は家を出ず、初めての生理中は子供や男性に近づいてはいけない。
イスラエル
今後の生理を軽くするため、はちみつをティースプーン1杯舐める。
イスラム教徒
大人の女性としてみなされ、ヒジャブという布で顔を隠すために頭を覆う。
インド
家族や親族で初潮を祝うラトゥ・サダング(地域によって名前や内容は異なる)と呼ばれる儀式を行う。
スリランカ
初潮を迎えた日は未来を暗示するものと考え、星占いが行われる。
エチオピア、ベタ・イスラエル(ユダヤ人)
月経を”穢れ“とし、生理中の女性は男性から隔離される。
ネイティブアメリカン
1年のうちに初潮を迎えた少女をまとめて祝う祭りが数日にわたって行われる。
ネイティブアメリカン(ナバホ族・アパッチ族など)
キルアルダという初潮を経験した女性たちが駆けっこをして肉体的な強さを示す4日間の祭りが催される。
カナダの先住民(ヌートカ族)
勇敢さと強さが大事な資質という考えがあり、小舟で沖に連れて行かれて海に放り込まれる。
村まで泳いで帰ったらお祝いのパーティが催され、一人前の女性と認められる。
オーストラリア(アボリジニのティウィ族)
娘のために母親が小屋を建て、初潮が終わるまで閉じ込め、囁く以外の方法での会話、水を見ること、水に触れること、体を掻くこと、棒を使って食事することなどを禁じられる。
初潮を終えると小屋は燃やされ、川で清められ、村に戻ると婚約者をあてがわれる。
ミクロネシア
母親が小屋を建て、結婚するまでこの小屋で過ごしながら、生理中の女性が利用する浴場で祈りを捧げる。
モロッコ
初潮を迎えた少女の家族を招待してパーティが開かれ、お小遣いやプレゼントをもらう。
ナイジェリア(ティブ族)
多産を祈願する4本の傷をお腹に入れる。
アシュケナジー(ヨーロッパのユダヤ人)、トルコ
母親から「おめでとう」のお祝いの言葉とともに平手打ちをされる。
「血を顔に逆流させる(血色が良くなる)ようにしなさい」という意味と、「大人の女性として不名誉なことをしないように」という戒めのため。
男性との接触を断つものもあれば、アフリカ(マナウィ南部)には『ハイエナ』という文化が残る地域もあります。
この文化では初潮を迎えた少女は穢れを浄化するために『ハイエナ』と呼ばれるコニュニティーに数人しかいない男性と性交渉を持つことになるそうです。
この『ハイエナ』は、報道されたことで児童婚の問題やHIV感染の拡大などが問題になりました。
信仰や風習によって少女たちの初潮の迎え方は実に様々ですね。
最後に
女の子が初潮を迎えるということは成長を喜ぶことであり、『子供を産める体になった』ということで親としても心配事が増えることでもあります。
私の母は「大人の仲間入りをしたのだから自覚を持って行動しなさい」という言葉と、あらかじめ用意していた生理用品セットをプレゼントしてくれました。
母が同じ女性として私のことを心配している気持ちを感じた同時に、大人の第一歩を踏み出したのだと自覚したように思います。
子供たちにとって、初潮を迎えてからの体つきの変化や、個人差はあるものの生理の痛みに耐えるなど、これから戸惑うことも増えるでしょう。
そんなときに同じ女性である母親が寄り添ってくれると、とても安心するのではないでしょうか。
形にはこだわらずにささやかなお祝いをしたり、母と娘だけの時間を過ごすなど、新たな親子の関係を築けると良いですね。
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