小児がんは一般的には15歳未満の子どもに発生するがんのことをいいます。
あまり知られていませんが、子どもの死因の上位を占めておりそのうちの1/3が血液に関するがんが多く、白血病や悪性リンパ種などがあげられます。
親にとっては早期発見早期治療をしてあげたいと思いますよね。
小児がんの症状を見過ごさないためにも、どんな症状があらわれるのかご紹介します。
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小児がんの見つけ方。どんな症状が出るの?
小児がんは、がんの種類や年齢によっても症状が異なります。
赤ちゃんや小さいお子さんは、症状を上手に伝えることができないため見過ごしたり悪化させてしまう傾向があります。
それではどのような症状があらわれるのでしょうか。
発熱がある
小児がんは発熱から診断されることがたびたびあるのですが、かならずしも高熱がでるということではなく、発熱と解熱を繰り返すこともあります。
通常であれば発熱の他にも違う症状がみられることもあるのですが、原因不明の発熱(不明熱)が続くこともあります。
この子どもの不明熱の原因の中で、10%未満は小児がんと診断されています。
頭痛がある
頭痛の場合はほかの病気が原因ということがありますが、吐き気がある頭痛は「脳腫瘍」といわれる症状があげられます。
頭痛がある脳腫瘍は、脳神経に関係するほかの病気の症状が発症することもあるため注意しましょう。
リンパ節に腫れがみられる
リンパ節は首の周り・耳の後ろ・アゴの下・足の付け根にあるのですが、そのリンパ節が腫れることがあり、痛みがない症状のために十分注意をする必要があります。
リンパ節の腫れは原因ががんであることはまれであるため、がんであるか確認するには手術によってリンパ節の一部またはすべてを摘出して、がん細胞であるかどうか調べる必要があります。
骨や関節の痛みがある
小児がんで多い症状が骨や関節の痛みであり、眠れないほどの強い痛みを伴うこともあるため子どもにとっては大変辛い症状です。
骨や関節の痛みの原因は白血病や骨肉腫があり、神経芽腫の移転によって肩から腕の骨が痛むといった症状があります。
※神経芽腫とは
神経の細胞にできるがんですが、神経芽腫は小児期にできる固形腫瘍の中で、白血病や脳腫瘍についで多い病気です。
痛みが長く続くといったことがあれば、お子さんに我慢をさせず早めに病院での診察をおすすめします。
筋肉、胸、お腹の腫瘤(しゅりゅう)がある
腫瘤(しゅりゅう)とはこぶや固まりのことをことを言い、腫瘍性のものや炎症性のものがあります。
しこりや腫れが皮下や筋肉の中にできる場合は、痛みがないことが多いため腫瘤(しゅりゅう)がかなり大きくなってから気づくといったことが多いです。
太ももが大きく腫れたり関節が曲がらなくなったりと座れなくなることもあります。
胸の腫瘤(しゅりゅう)の場合は心臓や脊髄や気管を圧迫したり、肺や心臓付近に水がたまって苦しくなったり、下半身の麻痺などの症状が出ることがあります。
お腹の腫瘤を伴う小児がんは、がんの種類や進行によって症状も様々で1歳から5歳に多くみられます。
特に症状がない場合は、偶然におなかの腫瘤を指摘されて発見したりすることも多く、一方で急に腫瘤が大きくなったことで腸や尿路が圧迫されたり腹水などの症状があらわれることもあります。
しこりがあるということは何か重大な病気とも考えられますので注意してお子さんの体の様子を観察してください。
小児がんの原因は何?大人のがんとの違い
大人の場合はがんは老化現象のひとつとも言えるのですが、子どもと大人ではがんの種類が全く異なります。
子どもの場合は白血病が一番多いとされており、その他にも脳腫瘍や神経芽腫などがあげられます。
大人に多い胃がんや肺がん、大腸がんは子どものがんにはほとんどなく、小児がんの特徴は大人と違い全身にできるということです。
小児がんの原因は、胎児の体の神経や腎臓・肝臓・網膜などになるはずだった細胞が、胎児の体が成長した後も残っているため、異常な細胞に変化、そして増加したためと考えられています。
病院での検査や治療法はどんなものがあるの?
病院ではまず
- 問診
- 視診
- 触診
などによって診察を行いますが、問診ではどのような症状であるか、痛みなどはあるかといったことを聞かれるため、お子さんの様子をより詳しく伝えることが大切です。
問診の後はお子さんの顔色、体の様子、お腹を触診してしこりの有無を調べます。
検査としては、血液検査を行うとともに、がん細胞が作り出す物質を血液および尿から調べだす腫瘍マーカー監査などがあります。
場合によってはX線やエコー検査、CT、MRIといったように画像検査を必要に応じて行います。
また、白血病や一部の小児がんでは骨髄検査を行いますが、検査は腰の骨に針を刺して骨髄液を吸引する方法をとります。
他にも脳脊髄液といって、脳と脊髄(背骨の中にある太い神経の束)、そして脳と脊髄を包んでいる膜の間を流れる無色透明の液体を採取して調べる脳脊髄検査が行われることもあります。
このような一定時間動かない状態で検査を行わなければいけないため、状況によっては全身麻酔や鎮静剤を使用して眠っている間に検査を行う場合もあります。
小児がんの治療としては、大人と同じような
- 手術治療
- 薬物療法(抗がん剤治療)
- 放射線治療
などを組み合わせた療法を用いています。
小児がんは大人のがんに比べて薬物療法が効果的であるとさているため、薬物療法による治療が中心になることが多いです。
白血病やリンパ種の場合は抗がん剤のみで治療することもありますし、いろいろな治療法の中で手術を要するがんや腫瘍に対しても、補助的に抗がん剤を用いる場合が多くみられます。
小児がんの治療はがんによって様々な治療法を用いますので、子どもの年齢や成長発達や将来のことを十分に考えて医師との連携を図ることが重要です。
お子さんのことを十分に考えた治療法を選択してあげる必要があるため、治療に向けた準備もしっかりと医師と相談しましょう。
まとめ
お子さんは体の不調や症状を上手に伝えることができません。
痛いと言ってもどのくらい痛いのか、それとも痛くないのか、いつからこのしこりはあるのかなどはきちんと伝えられないのは当然です。
小児がんは早期発見早期治療が大切です。
日頃から、お子さんの体の様子に変化がないか観察しておく必要があります。
熱や頭痛があれば体調が悪いということで病院に行くことはできますが、体にしこりや痛みのない腫瘍などは見逃しがちです。
わが子は小児がんではないですが、生後間もないときにお尻に腫瘍がありました。
普段からおむつを替えるたびに気になってはいたのですぐに病院に行ったのですが、私が思っていたよりも深刻で、手術をすることになったのです。
自己判断は怖いもので、このまま病院に行かなければもっとひどくなっていたかもしれません。
大事には至りませんでしたが、親が躊躇(ちゅうちょ)せずに病院に行くことはとても大切なことだと痛感しています。
皆さんもお子さんの様子がいつもと違ったり、しこりや腫瘍を発見したらすぐに医師に相談することをおすすめします。
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